今年のJ2大展望LIVE(1/18(火)22時)【J論】

「ファジラボ」寺田弘幸

【無料】『美しいゴール 執念のゴール いつものゴール』【2021 J2第39節 相模原戦レビュー】

前半と後半の立ち上がりに失点して2度追い掛けることになった試合を、ファジアーノはひっくり返して3連勝を達成しました。ピンチも耐えて我慢強く守りながら試合を進めていく自分たちの得意な展開に持ち込めなくても勝てたことに、チームがすごくたくましくなっていることを感じました。

美しいゴール 執念のゴール いつものゴール
6位の可能性は消滅 それでも1つでも上へ

(寺田弘幸)

美しいゴール 執念のゴール いつものゴール

試合は勢いをもってゴールへ向かってくる相模原の選手たちを止められず、あっさりと失点して始まった。J2残留をかけて戦うチームの覚悟を見せられ、あらためて難しい試合になることを感じていたら、13分に石毛秀樹が空気を一変させた。

バイタルエリアでこぼれ球を拾って胸トラップし、右足でひょいとボールを浮かして後ろから迫ってきた相手を交わした。そして、落ちてきたボールを右足で捉えてボレーシュートを放つと、ボールは一直線にゴールマウスに吸い込まれていった。

すっげぇ~
後ろにも目があるのではないか。足でも手と同じような感覚でボールを扱えるのはなぜなんだ。石毛は絶対に『柱』だな。いや、もしかしたら『上弦の鬼』なのかもしれない。(すみません、鬼滅の刃を再読しているところでして)

あまりにも美しいゴールだったから、相模原陣営も大きなショックを受けないで済んだのだろう。タイスコアに戻ってからも、どちらかと言えば相模原のペースで試合は進んでいき、後半の立ち上がりにファジアーノが大きなミスを犯した。

相模原に右サイド深くまで入り込まれ、ゴールへ向かってこられたところで白井永地と安部崇士に連係ミスが起こって相手にシュートを打たれてしまい、梅田透吾もどうすることもできなかった。

また追い掛ける展開になった試合を、今度はベンチワークで動かしていく。有馬賢二監督は63分にイ・ヨンジェと木村太哉を投入する。推進力のある2人が入って攻撃が加速していき、67分に木村が右サイドから中央へ強引に切り込んでいき、こぼれたボールを河野諒祐が拾うとボランチに移っていた石毛がシュートした。

石毛とGKの間にいたヨンジェは、避けようとしたらしい。しかし、ボールはヨンジェのお尻に当たって目の前にこぼれてきた。

運が良かったことは間違いない。少しでも当たり所が違えばヨンジェに絶好のシュートチャンスが訪れることはなかっただろうが、僕は貪欲にゴールを求めてきたヨンジェの執念が実ったゴールだったんだと思っている。

あのポジションにヨンジェがいなければ生まれなかったゴールだ。何度ケガに見舞われても、自分の価値を証明するためにピッチに戻ってくる努力を続けてきたから奪えたゴールとも言える。この瞬間のために頑張ってきたヨンジェに、おめでとうと言いたい。

同点で終わらせず、ここから勝ち越しに持っていけたところがチームの大きき成長だ。勢い任せに攻ず冷静に相模原の守備を揺さぶっていき、左サイドに入った疋田優人も積極的なプレーを見せていく。ユーリが入ってきた相模原の攻撃にはみんなで集中して対応した。

そして79分、白井の縦パスを受けてヨンジェが抜け出す。シュートは打たせてもらえなかったが、仲間がしっかりとフォローしていた。こぼれ球を拾った河野がマイナスのクロスを入れると、そこに上門知樹がいた。いつものように正確に右足でミートしたシュートが決まり、ファジアーノは逆転してみせた。

6位以上の可能性は消滅 それでも1つでも上へ

今季初の3連勝を成し遂げ、無敗記録は10試合まで伸びた。シーズン終盤のファジアーノの歩みは素晴らしく、チームの成長が実感できる試合が続いているが、今節をもってファジアーノが6位以上に入る可能性は消滅した。

シーズンを14試合ごとに3つで区切ってラスト14試合だけの戦績を見ていくと、ファジアーノは勝点20を積み上げている。磐田(勝点27)、長崎(勝点27)、甲府(勝点25)、京都(勝点24)、千葉(勝点22)に次ぐ好結果を残しており、ラスト14試合だけの順位表を作成するとファジアーノは6位にランクする。

もっとも、順位表は42試合を通して見てはじめて意味を成すものだし、シーズン序盤とシーズン中盤に積み上げてきた勝点が少なすぎたら目標を達成できないことを、あらためて告げられているような気がする。今のファジアーノの強さに虚しさを感じるのも事実だが、残り3試合で1つでも多くの勝点を積み上げ、1つでも順位を上げ、2021年シーズンを終えてもらいたい。

特に次節はJ1昇格のかかった京都がCスタにやってくる。この試合でも強いファジアーノを見せられれば、強くなってきたことを誇りに感じながら来季に思いを巡らすこともできるだろう。

〈 了 〉

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