石井紘人のFootball Referee Journal

【石井紘人コラム】欧州の方が凄い(レフェリーが)監督や選手に怒る

「うるさい!!散れ!!」

ある日本の主審が発言問題で取りざたされた時、「プレーして」ではなく、「散れ」と言ったと私は思っていた。「散れ」が「死ね」に聞こえるのは、テンションとしてありあえること。
という話をしたら、「うるさい!!散れ!も問題あるのでは?」と知人に言われた。確かに、そんな論調になりそうだが、欧州の主審はそんな生易しいコミュニケーションをとっていない。

EURO2008、グループリーグのギリシャ×スウェーデン戦の主審を務めたマッシモ・ブサッカは、異議を唱えるギリシャのカラグニスに対し、「カラグニス、カラグニス私に指図をするな。」と叱り付け、カラグニスが主審の強さに謝罪をすると「謝るくらいならやるんじゃない。(今度言ったら)カードだぞ」と一喝する。

また、同じくEURO2008、グループリーグ突破をかけたドイツ対オーストリア戦では、監督が退席処分となったことに激怒したチーム関係者が審判控え室近くで激しく罵った。すると、スペイン人主審のヌエル・エンリケ・メフート・ゴンサレスは自らその場に向かう。

「試合に大事なのは監督じゃない。(試合後にそんなことをいうのは)プロらしくない。こんな振る舞い許されないぞ。言い分はよく分かっている。だが一度下した判定は変えられない。我々にも仕事がある。大事なのはピッチの上だ。理解してくれ。センキュー」

そのように語りかけ、批判を一蹴した。同じことを日本の審判員が言ったら・・・。おそらく、翌日の新聞の一面になるだろう。『審判が逆ギレ』と。

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