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石井紘人のFootball Referee Jurnal

【無料記事/Jリーグ紀行第4回】2012J1第17節 浦和×鳥栖 廣瀬格審判団評:3

「やべー、これも旨いな」

浦和美園駅から埼玉スタジアム2002に向かう道は、まるで祭りの屋台村だ。2人から4人のグループが、思い思いに屋台に立ち止まる。コース料理さながらに増えていくつまみ片手に、生ビールも進む。歩く道のりは15分だが、まったくストレスを覚えなかった。あそこに足を運ぶことが非日常で、休日であり、魅力があった。

“あった”と表現したのは、それは私の中では、過去形になってしまったからだ。

“慣れ”とは怖いもので、メディアになって五年が経つ私は、今やあれだけ好きだったあの道を歩くことはない。駅に着くと、真っ先にメディアバス乗り場に向かう。1時間前にスタジアムに入り、情景を感じ、癒されることは少なくなった。30分前に到着し、取材ノートの準備に追われる。帰り道では、ビールを飲むことも許されるのだが、さすがに一人ではそんな気分になれない。だから、またメディアバスで駅まで戻る。

その世界には、試合前の期待感、試合後の喜怒哀楽も何もない。メディアになって充実している生活を過ごしている反面、そういったフットボールの非日常を失ったことを悲しくも思う。それは、私自身の問題でもあるのだが・・・。

そんな私だが、審判批評に対し、“慣れ”を感じることはない。フレッシュさのない上から目線のコラムを書くと、読者の信頼を失うことを二年前に痛感した。私がニュースだと思う質問をぶつけ、答えに意味付けし、その声を届ける。審判批評を行う時は、可能な限り、審判以外のコメントもとるようにする。 

 

この試合後、ユン・ジョンファン監督は廣瀬主審の元に向かった。試合を振り返っても、ユン監督が、審判に不満を言っても不思議ではない試合だった。

3分、ハンドをしっかりと見極める。4分にも裏からのチャージを見極める。また、早い段階から、GKにゴールキックのリスタートの催促をするなど、マネジメントも行う。9分の鳥栖GK時のポジショニング、豊田がターゲットになるのを予測し、挟むようなポジションに動くなど、予測も良い。

一方で、18分の槙野の競り合いは手で押しており、ファウルに思えた。直後の阿部の競り合いはしっかりと見極めただけに、残念なシーンだった。また、32分の判定も逆に思えるし、37分の判定も微妙だった。

それでも、45分の警告は妥当だし、雨が強くなった52分には、アドバンテージではなく、あえてファウルをとり、注意というパフォーマンスで危険な接触が起きないように意識させるなど、全体的に妥当な判定で試合は進む。54分の注意や、59分の見極めも的確。79分の微妙なボールアウトの判定に異議を唱えた監督とも、丁寧にコミュニケーションをとる。

 

試合全体を振り返ると、鳥栖が不利に感じる判定もあった。だから私は、記者会見で率直にその事を聞いた。

 

石井:試合後、審判団とコミュニケーションをとられていましたよね?どのようなお話をされたのですか?

 

「試合が終われば、審判も審判でミーティングを行う。だから、試合を終えた審判団に対し、「おつかれさま」と声をかけた。」

 

試合中に、判定に対するリアクションをユン監督はみせていたが、それは“エキサイト”であり、スポーツの一部。こういう見識が広まれば、Jリーグは、もっと面白くなると思う。

 

~採点基準~

5:彼なしに試合はありえなかった

4:普通に試合を終わらせた

3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった

2:カード・得点に対する受け入れられない微妙な判定があった

1:ミスから試合に影響を与えてしまった

0:試合を壊してしまった

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