石井紘人のFootball Referee Journal

2013J1第5節 柏×名古屋 岡部拓人審判団評

■主審:岡部拓人

 採点:2

 

なぜ大ブーイングが起きたのか? 岡部主審はそれをフィードバックしなければいけない。

 

6分、ドリブルで抜かれた所を裏からホールドで止めた栗澤に警告。決して間違った判定ではないが、ネルシーニョ監督が「天候からしてピッチが滑りやすく接触が多くなる展開はレフェリーも分かっていたはず。ファウルやカードを出すタイミングが早かったのでは」と指摘したように、注意でも良かったように思える。

7分の田口のファウルは、足を滑らせてファウルをする格好になったため、注意で収める。12分にも足にチャレンジする格好になったダニルソンのファウルをしっかりとる。このクイックスタートは認めても良かった気がする。

一方で15分のアドバンテージは的確で分かりやすい。

 

非常にフェアに試合は進む。

22分にも本多の手をしっかりと見極める。30分の小川が倒れたシーンは、程度も強くなく、ファウルを貰いにいったということでノーファウル。

35分の副審へのストレスを見せた玉田への介入も良いポスチャーだった。

 

36分の田中へのチャレンジはギリギリか。41分のシーンはアドバンテージをとるべきだった。43分、【繰り返しの違反】でダニルソンに警告。

 

主審への不満が募る中で、ボールアウトのフラッグを見るのが遅れてしまう。これに柏側や観客は不満をみせる。

また、44分にはファウル後、ボールを蹴った矢野に【遅延行為】で警告が与えられるが、増島の「イエローでしょ!?」というアピールの後に、カードを出す格好になってしまい、影響されたかのように映ってしまった。

 

迎えた451分、足裏をみせてスライディングタックルしてしまった栗澤に警告。二枚目で退場に。これは妥当な判定だ。また、47分のコンタクトの見極めも良い。

 

49分、ダニルソンのドリブルをファウルで止めた大谷に警告。51分の矢野の接触はアクシデンタル的なものだろう。54分、抜かれた所をファウルで止めにいったドミンゲスに警告。

 

57分のドミンゲスのチャレンジはファウルをとるべきだと思うし、逆に60分のドミンゲスへのチャージは基準ではノーファウルに思える。

このように大きな判定ミスがあったわけではないが、基準が分かりづらく、行き届いていないレフェリングで、総括はストイコビッチ監督のコメントが的を射ている。

「ある程度奇妙な部分はあった。特に後半のロスタイムが3分だったこと。これはFIFAに連絡し、確認したい。それは冗談ですが(笑)。全体的にはフィフティフィフティーだったと思います」。

(残り 125文字/全文: 1179文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ