石井紘人のFootball Referee Journal

審判界でも議論が分かれる西村雄一主審のPKジャッジ。UEFA CL&EURO決勝の主審ドイツのマルクス・メルクは「あのPKはダメだ」、W杯フランス大会担当したタイの主審は「接触が激しかろうと軽かろうとPKを取ることができる」

マッシモ・ブサッカFIFA審判部長は西村雄一主審の判定を支持。同じスイスの日韓ワールドカップ韓国×ドイツ戦の主審マイヤーと意見分かれる

FIFAワールドカップ2014年ブラジル大会開幕戦のPK判定が審判界でも議論になっている。

ワールドカップだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグやEUROの決勝でも主審を務めたドイルのマルクス・メルク氏は

「日本人の主審を責めることはできない。彼は優秀で、W杯で審判を務めるのにふさわしい。」

としながらも、PK判定には、

「残念で仕方がない。サッカーをする一人の人間として心が痛む。ブラジルが勝利に値しなかったとは言わないが。この開幕戦という大事な試合で、あのPKはダメだ」「開幕戦で(大会の)基準をつくるには向いていない」(Goal.comドイツより)

と語り、さらにマッシモ・ブサッカFIFA審判部長の見解を批判した。

 

一方、1988年フランス大会で二試合の笛を吹いたタイのピロム・アンプラサート氏は

「全体的に、日本の主審は良い仕事をしていた。ミスはいずれも小さなものだ。私としては、深刻な誤審はなかったと思う。西村氏のパフォーマンスは平均的なもので、彼はプレーを止めないように務めたため試合はスムーズに進んでいた」

PKに関しては、彼にはあれを取る権利があった。ルールは明確であり、規則通りに与えられたPKだ。エリア内で相手のボールキープを妨害すれば、接触が激しかろうと軽かろうとPKを取ることができる。あとは審判の裁量次第だ」(Goal.comタイより)

とブサッカFIFA審判部長と同様の見解を示した。

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