石井紘人のFootball Referee Journal

【無料記事/連載:Jリーグ紀行第7回】浦和レッズ×鹿島アントラーズ 両監督は西村雄一審判団をどう評価したか?

微妙な判定もあったかもしれない。だが、試合は普通に終わった。

サポーターと違い、両監督はその点を評価する。試合中には激しくファウルアピールをするが、それと判定の○×はイコールではないことを理解している。トニーニョ・セレーゾ監督は自ら、「レフェリングが非常に素晴らしかった。緊迫した中で、選手たちを落ち着かせ、平常心に保った」と称賛した。

そうなると、対戦チームはレフェリーを快く思っていないことがあったりする。試合後記者会見で、ペトロビッチ監督に私は訊いた。

 

―セレーゾ監督はレフェリーをほめていましたが、監督はどのように感じましたか?

 

「私も非常に良いジャッジだったと思う。これからも良いジャッジを続けて欲しい。彼はワールドカップで難しい状況になった。私は、試合前に『ワールドカップのPKの判定だが、個人的に判断は悪くないと思います』と伝えました。吹いてもおかしくないシーンだった。ただ、開催国のブラジル戦の判定ということで難しいことになった。ただ、そのワールドカップの難しい状況を経験したのが活きたと思う。」

 

両監督がそう審判批評した試合。実際はどのようなジャッジだったのか。

10秒、槙野へのホールド。1分にもダヴィの腕をしっかりと見極める。2分、関根のハンド。直後にはダヴィへのプッシング。3分の槙野がカイオのホールドをアピールしたシーンは、程度が強くないということでノーとする。8分の競り合い時の背中を押すような格好もしっかりとる。12分には豊川のハンド。

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