石井紘人のFootball Referee Journal

【無料/連載⑥種をまく指導者:坂本康博のN-S式トレーニング】1-0慶應義塾大学「ヘディングの高さを出すのは筋トレではない」

―慶應義塾大学(慶應)戦を終えて如何ですか?

 

「今日はリーグからのボロボロのディフェンスラインを、ディフェンスの意識を高めようというのを御殿場でやってきて。引いて、離れて、構えて待っているというのを止めさせました。全部、付きにいけと。“(N-S式トレーニングの)タッチ”しにいけと。そうでないと、巧い選手が相手には多いので、かわされる。体を寄せることが大事です。ファウルにならないように体を寄せて、相手に仕事をさせない。寄せていって、サンドをするのがベストで、今日はサンドまでは行かなかったけど、しっかりと寄せてはいた。」

 

GKのセーブというよりも、打たせなかった。

 

「(菊池)流帆が全部跳ね返してくれるんでね。あの辺は楽ですよね。あとは、こぼれ球を中盤がもっと拾えるようになると、攻めに繋がる。点を取るのが早すぎてね。」

 

―後ろに重くなっちゃいましたよね。

 

「そうそう。」

 

―菊池君が素晴らしかったと思うんですけど。

 

「そうですね。これから、じっくり作っていこうと思います。周りがチヤホヤすると困るんですけど。まだまだやらなければいけないことがたくさんあるので。」

 

―特に強調しているのは?

 

「今は、彼の特徴であるヘディングを活かそうと。ヘディングの高さも、ウチに来て、10㎝から15㎝上がっています。これも筋トレとかそういうのではなくて、“(N-S式トレーニングの)ジャンプの技術”をどうやってつけるか。強い気持ちは持っている選手なので、あとは技術をどのようにつけるかが課題です。」

 

―攻撃はどうですか?リーグの時よりも流動的に動いてという?

 

「流動的というか、(澤上)竜二がマークされるのは分かっているから、それの背後に入る。竜二の競ったボールに、もぐりこんでいく。竜二がフリーでシュートを打てることなんて、ほとんどないから、それをやるしかない。」

 

石井:菊池君くらいの大型なセンターバックって、なかなか日本にいなくて、ハーフナー・ニッキ君とか期待されていた選手がいたけども、なかなかトップレベルに出られない。そういった現状で、先生は菊池君をどのように育てようと考えていますか?

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