石井紘人のFootball Referee Journal

【無料記事/EURO2016ラウンド16審判批評ハイライト】ピエルルイジ・コッリーナのメッセージが伝わる

GL第3節のクロアチア×スペイン戦後、物議を醸したクロアチアGKダニエル・スバシッチのPKセーブだが、『AP通信』によるとUEFAのピエルルイジ・コッリーナ審判部長が審判団のミスを認めたという。

「(全体的に)良いジャッジの行われた試合だった」とビョルン・カイペルス審判団に批判の矛先が向かないように配慮しつつも、「その中でひとつのミスだった。残念ながら、GKが前に動いていたことに審判団が気づかなかった。もちろん、審判たちはPKが正確に行われるよう注意しなければならない。蹴り直しが行われるべきであり、ルールに定められたように、GKには警告が出されることになる」と語り、各チームのGKにメッセージを送った。そして、そのメッセージはラウンド16のハイライトを見る限り、伝わっていたように思う。

 

■スイス×ポーランド マーク・クラッテンバーグ審判団

試合はPK戦にもつれたが、両GK共にキッカーが蹴るまで、ライン上に足を残していた。

 

■ドイツ×スロバキア シュモン・マルチニアク審判団

クロスボールをヘディングしようとしたゴメスを、右手でシャツを掴みながら、ジャンプする寸前であきらかに押したシュクルテルのファウル。警告に。このPKをGKがストップするが、GKの足はキッカーが蹴るまでライン上にしっかりと残っていた。

 

■フランス×アイルランド ニコラ・リッツォーリ審判団

立ち上がり2分。PA内でこぼれたボールをシュートしようとモーションに入ったロングを、ポグバがトリップしてしまう。立ち上がりの大きな判定を下さなければいけないシーンだったが、リッツオーリ主審は迷わず笛を吹く。妥当な判定で、セリエAのレフェリーの“強さ”が垣間見えた。この時のPKも、GKの足はキッカーが蹴るまでライン上に残っていた。

 

 

フランス×アイルランド戦のようにコーナーキックとゴールキックのボールアウトの微妙な判定などはあったものの、世界に報じられるような誤審はなかった。最も話題になったのは、クロアチア×スペイン戦のPK時の【ゴールキーパーの反則】であり、ラウンド16ではしっかりと改善されていた。

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