石井紘人のFootball Referee Jurnal

【前半無料/石井紘人レポート:プレミアリーグのレフェリーとは?】審判は一試合に450の判定をくだし、精度は96%

プレミアリーグやフットボールリーグなどの審判に関する独立組織「Professional Game Match Officials Limited (PGMOL)」に所属しているRay Oliver氏がイングランドのプロレフェリー活動内容とともに、イングランドサッカー協会、プレミアリーグ、フットボールリーグが出資して2001年に設立したPGMOLについて説明した。

 

Ray OliverPGMOLJリーグは非常に緊密な関係を保っております。レフェリーの交流も盛んに行っております。私の役割は、日本のレフェリーに、レフェリングを教えることではありません。互いの相互交流を通して、互いに学び、より高いパフォーマンスを目指していくのが目的です。今日はプレミアリーグのレフェリーの準備をプレゼンテーションします。2001年にFAからの命を受けてPGMOLが出来ました。レフェリーのプロ化に伴ってです。プレミアリーグのレフェリーは、フルタイムで仕事をしながら、レフェリーをやってきたので、プレミアリーグとしては、レフェリーの仕事に専念できる環境を作りたかった。それを受け、2001年にPGMOLが有限会社として設立された。現在の予算は1,600万ポンド。昨シーズンから4割増です。私の管轄するトレーニングの予算も100万ポンドです。この予算でレフェリーの質の向上を行っている。予算がないとトレーニングが出来ず、向上も遅れてしまう。プレミアリーグの試合は、バリスターがスポンサーです。ナショナルのゲームですと、プレーヤーの親です。それにより、ニーズが変わってくる。そのニーズを理解することも大事です。PGMOLのモデルは、他の協会や大陸連盟も興味を持っている。

 

プレミアリーグにはプロのレフェリーが18名、プロのアシスタントレフェリーが30名おります。また7名のレフェリーを評価する人Evaluatorsがいる。皆さんメディアの仕事をしておりますけど、レフェリーのすべての動きを34台のカメラが色々なアングルから映している。そのレフェリーになったと想像するとプレッシャーを感じませんか?もちろん、スタジアムの観客、世界中で視聴しているファンもいる。プレミアリーグでは、各試合にレフェリーアセッサーがつく。30名のアシスタントレフェリーは、今年、リクルートしました。フットボールリーグは、フルタイムのプロのレフェリーを18名リクルートしました。アシスタントレフェリー30名はフルタイムではなく、各試合ことの報酬。その下のレベル3のリーグワン、レベル4のリーグ2ですが、40名のレフェリーと143名のアシスタントレフェリーがいる。イングランドフットボールリーグの全試合は、70名のアセッサーが全試合につきます。プレミアリーグでは、二週間ごとにイングランドのナショナルフットボールセンターでキャンプを行います。クラブと同じようにスポーツ心理学、スポーツ科学と医療、レフェリーの動きを分析するアナリスト。私はその映像を見て、どのレフェリーがどれくらいの距離を、どのカバーを走ったのかスプリントしたのかを見ることができます。マッサージもいて、試合の前後でマッサージを受けられます。視力の専門家、レフェリーは目の検査、視界が大事です。栄養管理士、怪我への対応である保険のスペシャリスト、足の状態を見る足病医。選手と同じサポートが用意されています。

 

レフェリーというのは、レフェリーだけでは機能しません。リーグのマネージャー協会と緊密に連絡をとっている。プロの選手協会とも連携をとっている。日本も同様かもしれませんが、シーズン前、シーズン中にクラブと定期的にミーティングを行います。PGMOLの技術委員会ですけども、リーグのマネージャー協会、選手協会、FAからも人を派遣してもらっています。テクニカルなことをインプットしてもらっています。もちろん、FIFAUEFAとも協力しています。市民レベルでも、市民の皆さんにコーチングのセッションを行ったり、観客の皆さんへのセミナーを開いたり、メディアのみなさんとのお話の機会も設けます。 さて、こういったメディアとの皆さんとの対話を、皆さんならどう進めますか?たとえば、先ほどのように映像をお見せし、判定について伺って、皆さんは100%正解するでしょうか?そんな自信はありませんよね?一つ言えるのは、メディアの皆さんが報道することは、我々レフェリーの向上や強化にとって非常に重要です。

組織は民間の会社のようになっています。この組織で一番重要なのが、強化です。プレミアリーグのレフェリーたちのパフォーマンスは360度すべての角度からのカメラで分析されます。スローの映像も使います。レフェリーは一試合に450の判定をします。その中で実際にホイッスルを吹くのは25回くらい。選手がボールにアプローチに行く。そこでレフェリーは瞬時にファウルがあったかどうか判断しなければいけません。笛がなくとも、常に細かい判断があります。イングランドでは最大34台のカメラで中継を行っています。様々な角度のカメラから、レフェリーのすべての動きが見ることができる。Evaluatorsは一つ一つの判定を分析して、それが正確だったかを見る。プレミアリーグのPGMOLに対する出資額は多額ですので、色々な要求をしてくる。プレミアリーグは元選手、元コーチをマッチデーゲートとしてレフェリーのパフォーマンスの精度をチェックするために、各試合に送り込んできます。選手の観点から、レフェリーのパフォーマンスを期待するということなので、我々にとっても勉強になる。

マッチデーゲートは試合後、ロッカールームに行って、レフェリーに会います。必ずしもレフェリーの技術面やスキルだけでなく、元選手や元コーチの観点から色々な意見を言います。皆さんもプレミアリーグの試合を見て思われるかもしれませんが、プレーのインテンシティやスピードが非常に増しています。外国人の選手や監督も増えています。それから、どんなことを、どんな犠牲を払っても勝ちに行くというメンタリティもある。とにかく、どんな手をつかっても。そういった背景は、レフェリーの仕事を非常に難しくしている。全ての判定が100%合っているというレフェリーに会ったことはありません。プレミアリーグの判定の精度ですが、まずはプレミアリーグトップの選手の精度を。

 

■プレミアリーグのスローインはいい加減?レフェリーは敬意を受けている?

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