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石井紘人のFootball Referee Jurnal

【連載:プロフェッショナルレフェリーキャンプレポート④】審判批判に厳しく、根絶を目指すプレミアリーグ「GKがPAから出てレフェリーの元にアピールに来たら警告」

今回の隔週コラム・レポートは、プレミアリーグやフットボールリーグなどの審判に関する独立組織「Professional Game Match Officials Limited (PGMOL)」に所属しているRay Oliver氏のプロフェッショナルレフェリー合宿での講義を意訳にて記したい。

 

■プレミアリーグを視聴しない人々は審判批判にうんざりしている

Ray「プレミアリーグの視聴者の数は世界に10億人います。しかも、高いレベルの視聴者です。マーケティングの関連から、視聴者の数をさらに増やそうとリーグとして考え、マーケティング調査を行った所、潜在的な市場として約10億人の視聴者を増やすことができるという結果が出ました。

では、その潜在的な視聴者がなぜプレミアリーグを見ていないのか?調査をした所、『ゲーム関係者の行動』にあるという結果が出ました。『ゲーム関係者の行動』に対して、「受け入れがたいものがある」という回答があがってきました。特にお子さんのご両親が「選手同士がファイト(対立)している所をみせたくない」「プレーヤーが審判員に対し、怒鳴りあっているのをみせたくない」と感じているそうです。ということで、プレミアリーグでは今季から『ゲーム関係者の行動』を改善する試みを行うことになりました。それは、レフェリーサイドから、こういった試みを行いたいと言った訳ではありません。あくまでも協会、リーグ、大会関係者からの要請が始まりです。イングランドには、リーグのマネージャーやコーチの団体、そういった組合のようなものもあります。そういった全ての機関が「ゲームの質をあげていこう」という共通の認識を持ちました。

先日、埼玉スタジアムで日本×サウジアラビア戦を見ましたが、試合の中で判定に対するサウジアラビア選手のレフェリーに対するチャレンジがありました。レフェリーに対して判定を覆させようとするチャレンジやプレッシャーをかけようとする行為はあってはいけません。

話を戻して、イングランドプレミアリーグですが、63の国籍の選手がいます。国籍が違うというのも、審判員にとっての大きなチャレンジとなってくるのはあきらかです。また、なぜプレミアリーグでは、こういったことをやらなければいけないのか。その背景を理解することが大切です。過去、レフェリーサイドも、こういった行為に対し、関係者への周知徹底はもちろん、レフェリーが十分に関与できていなかったことについては反省すべき点です。

では、『ゲーム関係者の行動』ですが、具体的には5つのポイントがあります。

1.レフェリーへの異議

2.審判への抗議的、侮辱的行為

3.審判員への身体的接触

4.審判員を取り囲む行為

5.テクニカルエリアでの行為

サウジアラビア戦では3番に該当する行為がありました。4番ですが、プレミアリーグでは、たとえば二人以上の選手が審判員の判定に詰め寄り抗議した場合、最低でも一人はイエローカードの対象にしなければいけない。その上で、協会に対し、しっかりと報告しなければいけません。5番はテクニカルエリアでの色々な行動です。

リーグとしてのマーケティングの観点からすると、潜在的なお客様が、テレビを見てくれない理由というのは、この5つに集約されます。なので、この5つの項目は、今シーズンを通して、しっかりとコントロールしていきたいと考えています。二週間に一回、担当審判員たちでコミュニケーションをとっていますけど、一つは5つのポイントについて良くできた所。要改善のポイントを議論します。もう一度繰り返しますが、審判サイドからトライしたいと申し上げたことではなく、あくまでもリーグ、もしくは協会からの要請に基づいています。いくつか事例をみてみましょう。

<実際のプレミアリーグの映像が流される>

GKを見てください。主審、副審を問わず、見てわかるような形で、敬意を欠いたような行為をする。もしくは判定に対して、攻撃的に対応する。審判員に対し、顔を近づけるような形で、対面する行為。審判員に対し、駆け寄る、走り寄る行為です。

今シーズンのJリーグを何試合か拝見しましたが、

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