石井紘人のFootball Referee Journal

無料全文掲載:町田×名古屋での人違い退場で審判団でのコミュニケーション、そして選手と何が起きていたのか?試合後報道とは違う事実【レフェリーブリーフィング前編①】

このセンシティブな情報を各メディアがどのように扱うのか。

J228節のFC町田ゼルビア×名古屋グランパスエイト戦で起きたレッドカードを出す選手を審判団がミスをした事象は、単純な「カードの出し間違い」ではない。

それをレフェリーブリーフィングにて日本サッカー協会(JFA)審判委員会も言葉を選んで説明したのだが、一部のみを切り取ると受け取り方は変わる。『日刊スポーツ』が「家本主審の思い込み」と題して報じたことが物語っている。

ということで、週刊審判批評では会見の内容をそのまま掲載したい。

 

*ジュビロ磐田×ヴィッセル神戸戦のハンドリング、ヴァンフォーレ甲府×川崎フロンターレのPKについても後ほど更新します。

 

上川徹JFA審判委員会副委員長「この事象はカードの出し間違いです。行為は、レッドカードの判断は正しいです。ペナルティーエリア(PA)の外です。ボールにプレー出来てないですよね。反則がなければ、ゴールキーパーと一対一になります。これがPAの中であれば、警告でPKです。ボールにプレーしようとして反則しているので。

ここでレフェリーはカードを反則した選手ではなくて、違う選手に出してしまいました。

理由としては…(映像でファウルの瞬間が流れ)反則をした選手は認識しているんです。

カードを示す前に一回副審と確認をします。

退場でいいよねと確認をしています。

で、確認をして、

はいカードを示しています。

ここまでは良かったんですけど、この後選手に囲まれてきて、色々と話をして、じゃあ実際に(*筆者予測:ピッチの外に)出す時に番号をしっかりね、ここでは(カードを)出したんだけど、しっかりと確認が出来ていなかったってなって、倒れた選手の近くにいた選手を反則した選手と誤って…

もちろん、(家本政明主審は)色々と選手に聞きます。聞きました。

ですが、正しい情報を得られずに、そこは(この後に)小川(佳実審判委員会)委員長から説明がありますけど、間違った選手を退場にさせてしまった。それは、あってはならないことだと思います。ただ、ここで我々が考えなければいけないことが、そういうミスをなくすためにどういうことが必要か考ええると、やはり(退場という)大きな事象ですし、レッドカードを示すのであれば、もっと(最初にカードを示した時に)選手を特定させないといけない。引っ張り出さないといけない。

で、もう一つは、副審にももちろん聞いているんですけど、正しい情報を得られなくて、事が過ぎているんで、副審も元に戻ることが出来ないんですよね。

そういうことを考えると、反則が起きた瞬間に、レフェリーから番号自体を(示さないと)いけないんですよね。「〇番」と。

副審からは分からなかったら「〇番の反則ですか?」とちゃんと確認する。」

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