石井紘人のFootball Referee Jurnal

無料:「ハンドで退場は日本に最大限好意的」「ルール改正で三重罰はなくなったのに、相当心象が悪かった」(サッカーライター)ではなく競技規則通りの判定【審判批評コラム】

先程、編集部から「日本×コロンビア戦でのハンドリングの判定について、『PKを与えたならイエロー止まりがスタンダードな判定になりつつあるなかで、日本に最大限好意的な判定をしてくれた』という記事を読んだのですが、FBRJの責務として再度ルール解説頂けませんか?」という連絡が来た。

確かに、翌日のワイドショーでもサッカー戦術に造詣の深い解説者の方が、「ルール改正後のPKの時のレッドカードというのは、相当にレフェリーの心象が悪かったのかもしれません」とコメントしていた。限られた時間の中での説明ということもあったのかもしれないが、「〇〇さんが言うなら」と信じてしまう方々も多いかもしれない。

ということで、先に結論から。

ダミル・スコミナ主審が下した一発退場・レッドカードという判定は競技規則通りの判定である。日本に好意的だった訳ではない。

2016年のルール改正によって

相手チームの【得点、または、決定的な得点の機会】で、ボールにプレーをしようとしたもののPA内でファウルをしてPKを与えた場合は、レッドカードではなく、イエローカードですませる(参考記事:ルール改正によりGKはより積極的にプレーできる

となった。ただし、ハンドリングは例外である。

サッカー競技規則P101の【得点、または、決定的な得点の機会の阻止】の項目の最初に、

競技者が、意図的にボールを手や腕で扱う反則により、相手チームの得点、または、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる。

と記してある。

つまり、カルロス・サンチェスのあの位置でのシュートブロックがハンドリングをとられた時点で、PKでレッドカードはセットとしてついてくる。

今回のジャッジを語るならば、「PKでレッドカードは厳しい」ではなく、「ハンドリングを適用すべきか?」である(参照リンク)。

なぜならば、ハンドリングとされた時点で、PKでレッドカードは確実だからだ。下記の競技規則を一読してみては如何だろうか? 

【得点、または、決定的な得点の機会の阻止】

競技者が、意図的にボールを手や腕で扱う反則により、相手チームの得点、または、決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる。

 

競技者が相手競技者に対して反則を犯し、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて犯された反則だった場合、反則を犯した競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、または、ボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を犯した競技者は退場させられなければならない。

 サッカー競技規則大改正!何が変わった??

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