無料:浦和レッズ×鹿島アントラーズの長澤と土井はPK?副審はどうジャッジしたか【JFA審判委員会レフェリー記者ブリーフィング:レフェリー批評コラム前編①】
昨日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会による『レフェリーブリーフィング』が行われた。
その中で、10月にJリーグ担当審判員の研修会が行われ、「この時期になってくると優勝争いだけでなく、残留争いもある。特に今年はJ1の優勝争いは限られてきてはいるものの、3位争い、さらに残留争いは例年以上にし烈で勝ち点1で変わってくる状況です。J2も7位くらいまで昇格争いをしている。そういったシチュエーションで、これからの試合では、どのようなことが起こり得るか?というのをテーマに研修を行いました」と上川徹JFA審判委員トップレフェリーグループシニアマネジャーは明かす。
これから選手のテンションが上がり、激しいプレーが多くなることが予測される。
「起きたことに対応するのも大切だが、起こる前の選手から出ているサインを見逃さないことがポイントになってくる」(上川)。
前回(参照リンク)から今回までで意見交換されたのは317シーン。その中でミスだったと思われる判定は前回と大きな変動はないが、目新しかったのが「うち46シーンは、クラブ側がレフェリーの判定の考えを訊きたいということで行われた」という“ミスジャッジの〇×”ではなく、基準の確認などが行われていたことだ。
では早速、判定への相互理解のための見解をレポートしたい。
J3第22節の鹿児島ユナイテッドFC×福島戦ユナイテッドFCの57分
上川「レフェリーはPKを与えましたが、映像で見るとPKではありません。PKという判定はあきらかな間違いといえると思います。
レフェリーは攻撃側の選手の接触時にフォーカスしてしまった。
その前からの動きを見れば、攻撃側の選手は自ら相手側に足をいれている。ボールにプレーしようとする動きではない。
もう一つはDFの選手の動きを見れば、不用意にチャレンジしていない。接触の瞬間だけを見たために起きてしまいました。」
J2第34節のツエーゲン金沢×モンテディオ山形戦の79分
「レフェリーはボールに触れたと見ました。
ですけど、DFの選手はボールに触れることができずに、あきらかに相手の腹部を蹴っています。
レフェリーからはブラインドになっていました。このブラインドの位置のポジショニングで止まるのではなく、ボールが浮いている時にどのようなことが起こるのが予測した動きをしなければいけなかった。視野を保つための角度が必要です。
そうすればボールの起動から、DFがプレーできていないのが分かった。
副審の視野的には、ペナルティーサークル付近ですので、サポートは難しいかもしれません。
カードの色ですが、『強さ』『スピード』『蹴りに行っている』ような【著しく不正なファウルプレー】まではいかないですよね。これが正面から足の裏を使って蹴っていればレッドになると思いますが、このシーンは警告です。マストで警告ではありませんが、警告を出した方がという見解です。」
J2第35節のモンテディオ山形×松本山雅FC戦の90+5分
「これは二つ難しいジャッジをしなければいけません。
一つ目はオフサイドかどうか?真横の映像はありませんが、副審の動きからオフサイドではない判定は受け入れられる判定だと思います。
二つ目はPKかどうかですが、両足共に接触している。倒れるだけの強さがありますので、ファウル、そして警告になります。このファウルがなければ、GKと1vs1になります。なので【得点機会の阻止】ですが、ボールにプレーしようとした反則なので警告になります。」
J1第30節の浦和レッズ×鹿島アントラーズ戦の71分(参照リンク)
「まず皆さん、どのようなジャッジをされますか?メディアの皆さん、ほとんどがPKと感じられていますよね。
『Jリーグジャッジリプレイ』でレイさん(参考記事:プレミアリーグのレフェリーとは?)が言ったように、フィフティフィフティの非常に難しい判定です。レイさんは「イングランドでは、これくらいではファウルとしない」ともおっしゃられていましたが、イングランドの基準はおいて。
ボールが出た瞬間はフィフティですが、その後で土居選手がスピードアップし、相手のDFの前に体を入れるプレーを選択しました。
レフェリーの位置からは長澤選手の右手が死角です。」
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