セレッソ大阪×大分トリニータの藤本への奥埜は警告?ベガルタ仙台×ガンバ大阪は今野のGKシュミットダニエルへのファウル?グレーゾーンが取り上げられ「ルールを守っても空気を読めと言われる」【審判批評コラム】
Jリーグレフェリーチームの1月からルヴァン決勝までを追った
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今回の『Jリーグジャッジリプレイ』(DAZN)はレフェリーにある“グレーゾーン”が取り上げられた。
まずはセレッソ大阪×大分トリニータ戦の52分。
裏のスペースに抜け出そうとした藤本を奥埜が引っかけたが、「主審はなぜ警告を出さなかったのか?」(平畠啓史氏)と多くの視聴者が懲戒罰基準に疑問を持ったようだ。
そんな平畠氏や原博実Jリーグ副理事長や視聴者の見解に対し、上川徹JFAトップレフェリーグループシニアマネジャーは「DFは(外の)ボールの方向に走っていて、FWは(中の)ボールとは違う方向に走ったため、クロスして(接触した)」と審判目線のゴール裏からの映像で分析し、「懲戒罰基準は充分に受け入れられる」とした。
“グレーゾーン”な判定が取り上げられたが、続いてのベガルタ仙台×ガンバ大阪戦の32分も同様だった。
ゴールが生まれたコーナーキック時のゴールキーパーに対する今野の動きについて、上川氏は「今野選手はボールにプレーしようとする動きがない。そして、背中を向けながら、最後にお尻のあたりでジャンプする所をちょっと押している。その接触を(基準から不用意として)ファウルとするかどうかはレフェリーの判断で良い」とノーファウル判定への理解を示す。
その一方で「ファウルで良いと思う。選手の経験の差が出た」と原氏が語った47分のシーンについては「レフェリーの判断の範囲内ではあるが、(基準を貫徹するためにも)ノーファウルで良かった」(上川氏)とも言及した。
横浜Fマリノス×鹿島アントラーズ戦での試合の終わらせ方(参考記事:なぜラストのコーナーキックを出来ずに試合終了となったのか?)も“グレーゾーン”ではないか。
原氏と平畠氏は「競技規則的には問題はないのは分かっているが、エンターティメント的にはもうワンプレーで良かったのでは」と投げかけると、上川氏は
「数十秒伸ばすことで、何かが起きる可能性が高まる。そうすると、さらにアディショナルタイムを伸ばさないといけない。なので、アディショナルタイムを消化しているのであれば、終われるタイミングで終わりたい」
と率直に審判側の難しさを明かした。