石井紘人のFootball Referee Journal

ブルーノ・メンデスへのPKをとるべきだったセレッソ大阪×サガン鳥栖、谷口への警告で退場カード基準は正しかった名古屋グランパス×川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ×横浜Fマリノスのオフサイド、コンサドーレ札幌×浦和レッズのドロップボールは「選手がルールを理解していなかった」

今週の『Jリーグジャッジリプレイ』は盛りだくさんの内容となった。


まずはFBRJでも話題になったセレッソ大阪×サガン鳥栖戦(参考記事:高丘のトリップでPKをとるべき)について、レイモンド・オリヴィエ日本サッカー協会(JFA)審判委員会副委員長は「DOGSOの状況ですが、PKですので警告です。主審がファウルをとらなかったのは、主審とボールの間に二人の選手がいて、視覚が遮られていた。その中でボールの方向が変わったことで、主審はGKがボールを触ったように考えた。また倒れ方も、ダイブが疑わしいように見えた」。

また61分のシーンについても「PKです。主審はディフェンスがボールにプレーしたと見ましたが、(プレーした左足ではなく)右足が引っかかっている。ただ、ブルーノ・メンデスはボールをコントロールできなくなっていたと思うので、DOGSOは当てはまらない」と主審目線を明かした。この試合は、後程全体の審判批評もアップしたい。

 

続いて名古屋グランパス×川崎フロンターレ戦の80分の警告について。

「正しい判定です。手を使った攻撃的な態度はカードが出ます。なぜ、一枚警告があるのに(すぐ傍にいる当事者ではない選手が)20mも走ってきて手で押してしまったのか?それを見たら、主審はカードを出さざるを得ない」と語り、

その後の阿部と和泉の小競り合いは「(80分の押したシーンとは違い)当事者同士がお互いを押しあっている。これに警告は厳しいと考えると思います。主審には、この状況を管理することを求めています」とプロセスの違いを説明した。

 

FBRJで話題になった鹿島アントラーズ×横浜Fマリノス戦(参考記事:幻のゴールは伊藤翔のオフサイド)も取り上げ、「審判団の素晴らしいオフサイドのジャッジです。

まずブエノ選手がヘディングした瞬間に、副審から「赤の15番、(オフサイドポジションにいますがプレーに関わっていないため)ウェイト(フラッグアップしません)」とコミュニケーションシステムで伝えています。

主審にGKの視界を遮っていないか、ほかの選手に影響を与えていないかをフォーカスさせるためです。

副審がフラッグアップしなかったのは伊藤選手がプレーしたか明確にわからなかったためです。

なので、その後でのface to faceでの協議になりました」とwait&seeでジグソーパズルオフサイドシチュエーションを見極めたことを明かしたものの、

第四の審判員とのやりとりなどは語られなかったので、後程その辺のプロセスは取材したい。

 

最後には、正しかったコンサドーレ札幌×浦和レッズ戦のドロップボールの説明、さらに議論となったFC東京×ベガルタ仙台戦のPKやり直し(ディエゴ・オリベイラのPKを止めたGKヤクブ・スウォビィク「ボールがけられるとき、GKは、少なくとも片足の一部をゴールラインに触れさせているか、ゴールラインの上に位置させていなければならない」は厳しい)にも触れ、「競技規則上は正しい」としながらも「イングランドの経験でいうと、やり直しはしない」とプレミアリーグの基準も語った。FIFA基準では、どうなっていくのか?こちらも取材したい。

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