石井紘人のFootball Referee Journal

無料:オフサイドディレイって何?木川田博信A2副審のフラッグアップ、高山啓義VARと相樂亨AVARのオンリーレビューが防いだ幻のゴール【横浜Fマリノス×ガンバ大阪:福島孝一郎審判団批評】

参考記事:そもそもでVARとは何なのかご存知でしょうか?


 34分、インターセプトされそうになったガンバ大阪が一旦GK東口順昭に戻した所で、横浜Fマリノスもラインをグッと上げる。

そのハイラインを尻目に、東口がロングパスを送ると、倉田が上手く裏をとって抜け出す。最後はマイナスのクロスを受けた矢島がゴールネットを揺らした。

ここで、木川田博信A2副審がフラッグアップ。

倉田が抜け出したシーンが、オフサイドテストで使われるラインと選手が交差する非常に難しいシーンのため、すぐに旗を上げず、オフサイドディレイさせたのだ。

 

「オフサイドディレイについて説明します。

まず、この遠目の映像です。この映像では、オフサイドかどうか明確には分かりませんが、副審は常に最終ラインにいる相手競技者がオフサイドかどうかチェックしています。

VARがいない試合であれば、オフサイドであれば、フラッグアップします。

しかし、VARがいる試合ではフラッグアップが変わります。

というのも、万が一、副審の判断が誤っていたとすると、本来は最終ラインから抜け出した選手がゴールを決められた、つまり得点が取り消される、翌日のヘッドラインニュースになる誤審となってしまいます。

なので、得点に関わりそうなきわどいオフサイドの場合は、フラッグアップをプレーが切れるまで待ちます。その時に使うのが、オフサイドディレイという言葉です。副審がオフサイドと判断していたことを主審とVARに伝えておきます。」

https://www4.targma.jp/fbrj/2019/09/24/post9604/

 

そして、高山啓義VARと相樂亨AVARに委ね、VARがオンサイドを見極め、VARオンリーレビューでオフサイドからゴールへと訂正した。

ベストなのは、最初の段階から木川田副審がオンサイドを見極めることではあるが、5人がオフサイドポジションにおり、ボールの出所もバックラインからという深さ、スピードもある簡単なオフサイドではなかった。

大事なのは、J1というリーグで『翌日のヘッドラインのニュースになるような誤審が起こらないこと』である。

第一節、今の所はVARが『最小の干渉、最大の効果』を出しているといえるのではないか。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ