石井紘人のFootball Referee Journal

無料:本田風智の幻のゴール、ダイレクトクロスの飯野七聖はなぜオフサイドとなったのか?【荒木友輔審判団批評】 #サガン鳥栖 #アビスパ福岡

J16節、サガン鳥栖×アビスパ福岡戦の67分のオフサイド判定に「VAR(ビデオアシスタントレフェリー)は何していた?オンサイドでは?」という声があるらしい。

編集部から渡された映像を見ると、おそらくDAZN解説を務めた中払大介氏の「出てなさそうですけどね」という声に引っ張られたのだと思う。もちろん、その後で中払氏は「確認していると思いますけど、蹴った瞬間どうなのかな」と話し、実況も「しっかりとチェックをして、オフサイドだったということでしょう。先ほどの映像では微妙に見えましたが、しっかりとチェックを行って」と付け加えた。

ただ、これだけでは納得できない人もいたようだ。

ということで、解説を付け加えたい。

まず、中継映像の下記画像がVARのチェックしている映像とは限らない。

VARのモニターは、島川がボールを蹴った瞬間の足とボールをアップにすることが可能で、中継映像よりも、より明確に島川が蹴った瞬間を特定出来る。これが0.1秒動くだけで、オフサイドポジションも変わる。

そして、連動した真横からのオフサイドカメラ映像に、蹴った瞬間の最終ラインからのオフサイドラインをオペレーターがひき、VARは飯野がオフサイドかオンサイドかを明瞭にチェックする。

そこで、9割が“飯野がオンサイドである”という映像があれば、VARオンリーレビューでゴールとなる。

ちなみに、このシーンでVARが見ている映像が中継画像に近い微妙な場合はどうなるのか?

実は似たような事象がルヴァン杯2019準々決勝1stlegガンバ大阪×FC東京の51分に起きていた。

JリーグのVARビデオアシスタントレフェリーは2名で画面の数と運用は?「VARはベストの判定ではなく、9割がミスと思うジャッジのみ介入」【レフェリーブリーフィング前編:審判批評】

上記の記事をご覧頂きたいが、“間違いなくオンサイド”とは言える映像がない場合、フラッグアップした勝又弘樹A2副審の判定を、福島孝一郎VARと川崎秋仁AVARは支持することになる。

VARはベストの判定を探すのではなく、明らかな明白な間違いに介入するのが原則です」

と言われているように、荒木友輔審判団のオフサイド判定は正しかったと思うし、勝又A2副審のディレイからのナイスジャッジだったとも思う。

FIFAクラブW杯の決勝点、Jリーグで同シーンがあったらビデオアシスタントレフェリー(VAR)はハンドの反則を主審に助言する?

現時点ではプロセスは公開されていないので、一連の流れと過去の取材からの私の予測にはなるが。

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