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石井紘人のFootball Referee Journal

Jリーグの監督や選手とレフェリーの良いコミュニケーション、海外で成功するサッカー選手、主審が機械になったら口元分析で即カードに?【審判員インタビュー|第2回・村上伸次】

 

「それを防ぐために、詰められ続けた時には審判員は余計なことは話さないようにしています。テレビ見ていていも分かると思うのですが、試合後に選手に長く何かを言われていても、審判員は聞きながらも口を閉じている。そうすると何も言っていないことの証明になります。

 

昔のレフェリーは、ずっと渋い顔で口を真一文字にして、試合中も何も喋らずというイメージありますよね?ですが、今は、それがスタンダードではありません。ただ、試合後に違う発信をされてしまうと、やはりコミュニケーションをとるのは難しくなってしまいます。揚げ足を取られないように対応しないといけなくなる。私も色々あったので、そのようにする時もありました。

 

でも、違う方法もあるのではないかなと考え、いまビジネスコーチングの勉強をしています。コミュニケーションスキルを習い、たとえば『なぜ相手はこのように言うのだろうか?』から考えをスタートさせたり。もちろん、一線を引かないといけない部分は変わらずあります」

 

――確かに近年のレフェリーと選手の関係性は大きく変わったように感じます。取材エリアとなるミックスゾーンでは、レフェリーと選手が雑談していたりしますよね?

 

「そうですね。『今日は帰り?泊まりなの?』という雑談や、『すみません。今日言い過ぎました』という謝罪もあります。私も『お互い試合中は仕事をしている訳だから、それはしょうがないよ。全然大丈夫だよ』と返します。

 

私も試合中は、仕事として判断や判定をしており、それを選手は受け入れてくれます。選手も仕事としてプレーをして、その中でアピールもしています。

なので、選手とは、『アピールとかは理解できるから、こうやって試合のあとに話しできるといいよね』と話をしています」

 

――印象的なエピソードはありますか?

 

「たくさんありますが、最近だとロティーナ監督(前:清水エスパルス)です。試合後には毎回挨拶に来てくれていて、2020シーズンでセレッソ大阪を退任されるとリリースされた後の試合も挨拶に来てくれたので、『今年でチームを離れると思いますけど、あなたが作られたサッカーは日本人に合うし、好きだと思うし、私も好きなスタイルだから、もし日本に残るなら頑張ってください』とお伝えしたら、『私は君が日本一のレフェリーだと思っているから頑張ってくれ』と返してくれて。もちろん、レフェリーを懐柔するためというのもあると思うのですが、印象的なエピソードの一つですね。

 

監督の方々は、試合後だけでなく、試合前にも私の所に来られたりします。『この前うちの試合でこういう風なシーンありましたけど見ました?』とかもあります。色々な会話はありますが、監督や選手のコメントで一喜一憂することはありません」

 

――近年の方が監督や選手とも良いコミュニケーションがとれるようになっているのでしょうか?

 

「私の場合はそうです。いわゆる『顔』でレフェリングをするつもりはありませんが、長年Jリーグを担当していることで、私のことを理解してくれているというのもあると思います。そういった意味でも、若いレフェリーは苦労しているように感じます。それは、レフェリーと選手、どちらか片方が悪いという訳ではなく、互いに信頼関係を築けていないのだと思います。

 

レフェリーでいえば、選手に対して取り繕う、うまく丸め込んでやろうと思ってしまうのはよくありません。毅然とした態度を持ちつつ、意固地に上から目線にならずに、きちんと選手とコミュニケーションができるかが大事です」

 

――レフェリーには二つのビッグマッチがあると思っています。ルヴァン杯決勝のような試合後に審判員にも表彰がある試合。そして、J1残留かJ2降格かが決まるシビアな試合。村上さんは、どちらのビッグマッチも経験されています。

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