石井紘人のFootball Referee Journal

原博実Jリーグ副理事長、我々はPKだ!ファウルじゃない!勝手に言っているけど、レフェリーは全て背負っていて、家族の人たちも大変。それをサポーターや選手が理解してくれてのセレモニーは嬉しい

今季限りでJリーグ担当審判員を勇退する家本政明主審(48)と村上伸次主審(52)のJリーグにおける最後の笛となった試合後のセレモニーを『Jリーグジャッジプレイ』(DAZN)が取り上げた。

https://www4.targma.jp/fbrj/2021/12/08/post11468/

まず、原博実Jリーグ副理事長が「(今までのJリーグに審判へのセレモニーは)無かったと思いますよ。だって廣嶋さんだって、気が付いたら勇退みたいに発表されていて、廣嶋さんだって今の時代だったら、これと同じように(セレモニーがあっても不思議ではない。)FIFAワールドカップも行ってるし、試合数もある。でも、(今までは理解がなかったけど)皆が、審判の難しさ、大変さを理解してきて、(セレモニーが自主的に行われて)凄く良い雰囲気で終われたので嬉しかったですね」と振り返り、アシスタントレフェリー・そしてインストラクターとして家本主審と村上主審と深いかかわりのある廣嶋禎数氏に話を振ると、廣嶋氏は感極まって涙で言葉を詰まらせた。

代わって原氏が「我々はPKだ!ファウルじゃない!って勝手に言っているけど、それを(審判は)背負っている。特に家族の人たちは大変じゃないですか。そういう(審判も選手と同じという)ことをサポーターの人たちも理解してくれて、選手たちも理解してくれたのは本当に嬉しいですよね」と語ると、

廣嶋氏も「彼らがやってきたことが、皆に認められたというのが凄く嬉しくて。また審判を志している人たちが勇気をもらって、(トップレフェリーを目指す道に)進もうと思って貰えたと思うんですよね。(審判は)批判されることの方が圧倒的に多いんですけど、それでも自分たちが少しでもサッカー界に貢献出来ているという気持ちがあるから頑張れている。そこを最後に評価して貰えたというのは凄く嬉しいです」とコメントした。

最後は平畠啓史氏が「選手は背番号・背中に人生が見えてきたりする。それにお客さんは感情移入する。レフェリーの方は背番号ないですけど、家本さん村上さんの背中に人生が見えてくる。選手と審判って、対立構造で捉えがちじゃないですか?でもサッカーの試合は選手とレフェリーで作り上げていくというのを改めて感じさせられた」と締めくくった。

村上主審が引退会見にて「先輩方のご尽力と経験があってのこと」と語ったように、廣嶋氏の涙は「遂にJリーグもここまで来た」という先人たちの思いが詰まっているように見えた。

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