石井紘人のFootball Referee Journal

なぜ大迫勇也への松崎快は警告で武藤嘉紀への岩波拓也のタックルはPKにならなかった?【浦和レッズ×ヴィッセル神戸戦】

一試合に二度、OFRから浦和にPKを与えることをVARは嫌がった?

『週刊レフェリー批評』でも話題になった浦和レッズ×ヴィッセル神戸戦の44分、武藤嘉紀への岩波拓也のチャレンジについて、『Jリーグジャッジリプレイ』が取り上げた。

岩波の武藤へのタックルにVARはOFRすべき?明本が退場レッドカードで小林が警告イエローだった理由【浦和レッズ×ヴィッセル神戸:木村博之レフェリーチーム批評】

家本政明氏は「100%ファウル」としながらも、警告については「ダメージをどう考えるか」を考慮し、40%程度で必ずしもマストではないと判定した。

では、なぜレフェリーは見極められなかったか?

「立ち位置で考えた時に、レフェリーは串刺しの位置で、むこう(ゴール寄り)から岩波さんがチャレンジしているので、接触加減や程度が分かりにくいので、レフェリーが反則を見極めるのは非常に難しい。」

VARが助言しなかったのは、「もしかすると、レフェリーが『(オフェンス側が)ブロックに行った』という認識で、フットボールコンタクトとして許容できるという情報を発信していたら、『助言をしなければ』が下がるのかな」と予測しながらも、家本氏の判定は介入すべきだったと語った。

また、4分のペナルティーエリア内で切り替えした大迫勇也の足を松崎快が踏み、OFRからPKになったシーンとの違いについては、「こちらの方があきらかにダメージが大きい。踏みつけているので、なので、PKでイエローは充分に理解できます。(OFRの前に見極められなかったのは)このポジションってレフェリーにとって(AR寄りの死角で)泣き所なんですよね。ここを監視するポジションにいくのは難しい。VARの助言はレフェリーチームとして素晴らしい」と語り、だからこそ44分のシーンにも「VARは介入してほしかった」。
OFR
で二回PKを与えることを嫌がったのか?という疑問には「個人的には関係ないと思っています」と審判員の心境を明かしながらも、「もしかすると、人によっては心理的プレッシャーを感じて(介入に)行きにくいという可能性はありますよね」と付け加え、経験の少ないレフェリーが感じるプレッシャーも語った。

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