石井紘人のFootball Referee Journal

無料:扇谷健司審判委員長「審判委員会の世代交代が目的ではなく、引き継いできたビジョン・ミッション・アクションをもう一度見直し、トップだけではなく、グラスルーツ含めて日本サッカーが更によくなるために」

先月末に行われた『JFAレフェリーブリーフィング』の冒頭、新たに日本サッカー協会(JFA)審判委員長に任命された扇谷健司氏が挨拶を行った。

扇谷氏は2020年に審判委員会に入り、Jリーグ担当レフェリーの統括となった。初めに行った業務は、2019年シーズンのJ1J2J3の試合のチェックだ。そこで「ファウルではないコンタクトが、ファウルとして笛を吹かれていることが結構ある」と分析し、Jリーグ側と協議を行い、「小さなチェンジを皆で行う大きなチャレンジ」に共に取り組んだ(詳細は下記リンクを)。

日本サッカー協会(JFA)審判委員会とJリーグ「グレーなコンタクトの基準をプレミアのようにタフに統一していく」ゼロックススーパー杯を前に【Media Conference on Refereeing審判批評的レポート】

「こんにちは、日本サッカー協会審判委員会の扇谷と申します。

2022年)1月から審判委員長という任務を頂きまして今後、小川元委員長、黛前委員長の後を引き継いでやっていきたいと思っています。

上川徹氏→小川佳実氏の八年の後、2年間の期限付きで日本サッカー協会(JFA)審判委員長になった黛俊行氏が退任。今後は扇谷健司氏が日本サッカーのレフェリー界をけん引

黛委員長からもご挨拶頂きましたけども、やはり黛委員長の二年間はコロナ禍の非常に厳しい状況の中で、ほとんどの事業がリモートになったり、中止になったり、そういった大変状況で業務を行って頂いていたことを感じることができましたし、改めて黛委員長に感謝を申し上げたいなと思っています。

先ほど「(審判委員会の)世代交代」の話がありましたが、それを目的とはせず、今まで引き継いできたビジョン・ミッション・アクションというのをもう一度見直して、もう一度文字に起こしてみて、やはり審判はサッカーの為、我々(審判も)日本人ですので、日本のサッカーが更によくなるために。トッププレイヤーだけではなくて、グラスルーツも含めて、お父さんお母さんも含めて、審判界として何ができるか模索しながら進んでいきたいと思っております。

先ほど(FIFAレフェリーの)海外の派遣の話も出ました。

皆さんご存じだと思うのですが、先日ACLで初めて女性の審判員が笛を吹きました。

今現在、他にも佐藤さん、荒木さん、飯田さん、木村さん、また副審の山内さん、三原さん、西橋さんがACLの割り当てを受けています。

そういった意味では、二年前、黛委員長がご苦労された中で、今こうやって少しずつ海外で(FIFAレフェリーが)活躍することもできるというのは有難いことだなと思います。

我々としてもしっかりサポートしていきます。

皆さん既にご存じの山形対岡山の試合の事象ですが、(既にJリーグで会見を行っているため)ここでは大きく取り上げません。

ただ、少しずつ研修プログラムを組み始めています。人それぞれ(研修プログラムは)若干違うのですが、いつかまた彼らがJリーグのピッチに戻れるような準備をしていきたいと思っています。

最後に私が以前Jリーグ統括マネージャーの立場で色々お話させていただきましたが、色々なご理解を頂いて感謝申し上げます。また、これからも審判委員会として皆様にはなるべくオープンな議論や情報などを発信するということが求められていますし、特に隠すこともないと思っております。ぜひ、引き続きご意見いただければ幸いです。」

 

インタビューした時とかわらぬオープンな姿勢だった。

「我々審判委員会は審判員の環境を作る。主審や副審も選手と同じようにミスや挫折で成長していく」「10代は審判だけでなく選手としてもプレーして欲しい」【扇谷健司Jリーグ審判デベロップメントシニアマネジャーインタビュー後編】

 

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