石井紘人のFootball Referee Journal

山下良美主審選出も佐藤隆治氏は…日本サッカー協会(JFA)のAFC、FIFAレフェリー界への影響力の弱さの露呈?

国際サッカー連盟(FIFA)からの、二つの驚きのあるリリースだった。

良い意味での驚きは、山下良美レフェリーが、FIFAワールドカップ2022カタール大会のレフェリーにノミネートされたこと。

『ゲキサカ』誌によると、FIFAのピエルルイジ・コッリーナ審判委員長は「W杯史上初めて女性の審判員を招集できたことを非常に嬉しく思う。数年前に男子のジュニア、シニア大会に女性審判員を割り当てることから始まった長いプロセスの集大成だ」「われわれにとって重要なのはクオリティであり、性別ではないことを強調したい。将来的には男子の主要大会にエリートレベルの女性審判員が選ばれることがセンセーショナルなことではなく、普通のことだと認識されるよう願う」とコメントしたらしい。

 

悪い意味での驚きは、アジアのビッグマッチを妥当に終わらせてきた佐藤隆治レフェリーがノミネートされなかったこと。

1986年と90年の高田静夫氏。98年の岡田正義氏。2002年と2006年の上川徹氏。2010年と2014年の西村雄一レフェリー。そして、2018年は佐藤レフェリーが選ばれたが、佐藤氏はレフェリーとしての割り当てはなく。今回はノミネートもされず。

これは懸念すべき事態ではあるが、佐藤レフェリーの実力不足ではない。AFC(アジアサッカー連盟)の会長が代わってから、日本人レフェリーは政治的に苦しんでいるように映る。私の気のせいなら良いのだが

 

参考記事:なぜ、佐藤隆治レフェリーは選出されなかった?

「我々審判委員会は審判員の環境を作る。主審や副審も選手と同じようにミスや挫折で成長していく」「10代は審判だけでなく選手としてもプレーして欲しい」【扇谷健司Jリーグ審判デベロップメントシニアマネジャーインタビュー後編】

なぜ佐藤隆治審判団はロシアワールドカップで割り当てを受けられなかったのか?日本の審判界のレベルアップのための改革とは?小川佳実JFA審判委員長インタビュー後編

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