難波宏明引退。誠意がにじんだ記者会見45分間【特別レポート】
◆引退と隣り合わせのファイナルタッチャー
11月28日、今シーズンかぎりでの引退を発表した難波宏明が共同記者会見をおこなった。会見は45分間にも及んだ。
最初の代表質問で現在の心境を問われると、こう語った。
「ほんとうに悔いはなく、実に晴々しいといいますか、引退される選手みんなこんなもんなのかというくらい、晴れやかな気持ちでいます」
こうも言っていた。
「ほんとうに心のなかはすっきりしていて、ぼくのサッカー選手人生にひとつも悔いがない」
表情は澄んでいた。やりきったという実感があるのだろう。
「サッカー選手って、歳はどうあれ、引退と隣り合わせだと思っています」
高校卒業後、ヴィッセル神戸に加入してJリーガーとなったが、わずか1年で契約が切れた。当時まだJFLだった栃木SCを経て流通経済大学に進学し、特別指定選手からやり直して横浜FCでプロの世界に帰ってきた。以来、一年ごとに、いつ引退になってもおかしくないという危機感とともにキャリアを重ねてきた。
昨年、FC岐阜の指揮官に就任した大木武監督は、プロ意識で自らを律する難波を頼りにした。経験に乏しい若手ばかりで、サッカーに取り組むうえでの明確なバックグラウンドを持つ選手が少ない。そのなかにあって、
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