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3バックで再建を果たした岐阜の組織。残る課題はゴール前の攻防【後藤勝のJ2第16節マッチレビューコラム】

 

前線でよく戦っていた山岸祐也。得点を増やしていきたい。 ©FC GIFU


 長足の進歩を遂げた――と形容していいのかどうか、ともかくも直近の3試合に比べると明らかに内容が向上していたJ2第16節のFC岐阜。いままで培ったものをうまく組み込み、柏レイソルに伍していました。よく整備され、狙ったとおりに出来たと選手たちが感じられる場面が多かったと想像します。いろいろと言及したいことはありますが、まだこの先多くの試合がありますので、少々筆を抑制しつつ振り返ってみたいと思います。
 
◆序盤で原則を確認
 
 まず、ここまでのシーズン1/3の推移についてですが、キャンプ中4-4-2に着手、開幕に間に合わせてきたところまではよかったと思います。大木サッカーの蓄積がある選手で春の時点でのスタンダードをつくり、その基準に合わせて新加入の選手を鍛えてローテーションできるようにしていく年間のプランであったはずです。
 しかし北谷史孝を皮切りにけが人が続出したことでこのプランは崩れました。けが人が出たところの穴をどう塞ぐか、その手当てに追われ、けが人が増えてくるとそれもできなくなり、残存戦力に合わせたフォーメーションや戦い方の調整を余儀なくされています。
 そして現在も富樫佑太と宮本航汰の長期離脱が確定的。ですが、ある程度負傷離脱者が戻ってきました。このタイミングで残りのシーズンを見据え、新たなスタンダードを構築する必要があるのは当然で、なんとかそれを成し遂げようと試行錯誤を繰り返し、第13節から15節までの連続複数失点による敗戦を経て、柏戦でようやく現状なりの基準と呼べるものが見えてきました。
 柏戦を1失点に抑えて引き分け寸前まで行ったという結果よりも、内容において戦える根拠が見えてきたということが、なによりも収穫でした。
 
 柏戦のフォーメーションは3-3-2-2または5-1-2-2。中盤がひし型になっている4-4-2のトップ下を削って最終ラインのディフェンダーをひとり増やしたかたちになります。
 巷ではパスサッカーのスタイルをかなぐり捨てたと言われていますが、

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