二日間で完成度を高めたFC岐阜、PK戦で力尽きるも半歩前進【天皇杯2回戦レポート】
先制点を奪いながら東京ヴェルディに2-1の逆転負けを喫したJ2第20節から中二日となる7月3日、FC岐阜は山梨中銀スタジアムで天皇杯2回戦に臨み、ヴァンフォーレ甲府と対戦。先行されては追いつくシーソーゲームの末スコアは2-2となったが、延長戦でも決着はつかず、もつれ込んだPK戦に敗れて大会からの敗退が決まった。
北野誠監督は試合後、選手たちに「PKでも負けは負けだからな」と、語りかけたという。選手も痛い敗戦だと受け止めていた。残留争いに関係ないカップ戦であってもいまは勝利が必要と意気込んでいただけになおさらだった。
ディフェンダーながら2ゴールと気を吐いた藤谷匠は「勝ちきれたらこの悪い流れも変わっていたかもしれない」と、敗戦を悔やんだ。
「リーグ戦も連敗中ですし、そこを止めたかったという想いもあります。天皇杯ですけど1勝することによって次のリーグ戦につなげるということで、PKではあってもしっかり勝ち切る結果が必要だったと思います」
見方を変えると、勝敗にフォーカスが当たるようになったということは、北野監督の就任から二週間強でほぼ内容的にJ2を戦える水準に仕上がり、その先を問う段階に到達したということだ。
攻撃では90分間にシュートを10本撃って2得点。守備では中を締めて明け渡さないやり方が機能した。プレッシャーをかける位置やコースの切り方には狙いを持って取り組んでいたようで、ゴールライン辺りまでえぐられたときなどディテールに問題があり2失点したが、全体的に破綻はなく及第点を与えられる出来。攻守ともに新しい戦い方の浸透が進み、J2第21節アビスパ福岡戦とその次の節辺りで第一段階の戦術整備を終えられそうだ。
◆先制されるも好転した前半45分間
開始6分、右ウイングバックの湯澤聖人が送った低いクロスを太田修介に叩き込まれ、甲府にあっさりと先制を許した。しかし岐阜は動じることなく
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