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「タスクをシンプルに」という思想が生む効率的なプレー。北野サッカー最初の結実【後藤勝のJ2第21節福岡vs.岐阜マッチレビュー】

 

今シーズンの4点目を決めた前田遼一。左手を上げ、ベンチの選手、スタッフに応える姿が印象的だった。


 あらためてJ2第21節アビスパ福岡戦を振り返りたいと思います。
 
 が、まず最初にお断りしておかないといけないのは、残留を争うFC岐阜も福岡もシーズンがあと半分残っていて、それぞれのサッカーにある程度秘匿するべき部分があること。
 世に出ている北野誠監督の会見関連記事も、football fukuokaさんにしてもJリーグ公式にしても具体的な例のところはうまくぼかしていただいているので、そこは福岡さんに対してもフェアにやるという意味も含め、慎重に言葉を選んでいきたいと思います。
 
 それにしても福岡は力を発揮しきれていないように見えました。ひとつには岐阜の対策が優ったということがあるにしろ、久藤清一監督に替わってからまだ戦い方が整備されていないところがあるように思います。一刻も早く原理原則を定めていく必要があるのではないでしょうか。
 
◆少なかった3連戦の疲労
 

スコアは3-1。1失点はあったが完勝と言っていい内容だった。


 一方、理論構築がしっかりしている北野監督のサッカーは、選手がちゃんとタスクを遂行してくれれば結果は出ると期待させてくれるものですが、思いの外吸収が早く、この試合でかなり理想像に近づきました。
 また対策に関しても、天皇杯終了直後に「これから福岡の映像を観てプレスの位置を考えたい」と言い残し、山梨中銀スタジアムをあとにしてからの二日間でよく準備されたと思います。北野監督のストロングポイントのひとつがスピーディな仕事ぶりです。引いた位置でのディフェンス、ミドルゾーンでのディフェンス、さらに高い位置でのディフェンスと、順を追って取り組み選択肢を増やしてきた岐阜が、その基本形をベースに福岡対策を施した格好です。
 相手によって変える守り方の部分が北野監督の言うところの企業秘密ということになりますが、東京ヴェルディ戦でも巧みにコースを制限して相手のつなぎを断っていたように、この第21節でも福岡は岐阜が用意した策の前に、思うような試合ができませんでした。
 
 ベースの部分で言えば、

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