ぎふマガ!~FC岐阜を徹底的に応援する公式ウェブマガジン~

甘くはない残留争い。ライバルのアビスパ福岡に敗れ、最下位からの脱出はならず【J2第27節レポート】

 

フル出場のジュニオール バホスは力を使い果たしたか、試合終了と同時に膝をついた。敗れても、全力で戦う姿勢まで失ったわけではない。


 8月11日、22位のFC岐阜は岐阜メモリアルセンター長良川競技場でJ2第27節に臨み、19位のアビスパ福岡と対戦。最下位からの脱出をかけて臨んだ一戦だったが、0-2で敗れ、勝点を伸ばすことができなかった。前半37分、自陣で跳ね返したボールを処理しようとしたところ後列から入ってきた福岡の左ウイングバック石原広教にかっさらわれ、上げられたクロスをヤン ドンヒョンに決められて先制を許した。0-1のまま敗れるわけにはいかない岐阜は後半、4-4-2にして前からプレッシャーをかけにいく戦いにシフトしたが、後半32分に後方が薄くなった隙を衝かれ、城後寿に追加点を与えてしまう。岐阜はスコアを動かすことができず、そのままタイムアップの笛を聞いた。
 
 これで18位に上がった福岡との勝点差は7に開いた。以下、19位のFC町田ゼルビアとは6差、岐阜同様に1試合消化が少ない鹿児島ユナイテッドFCとは4差、直上21位の栃木SCとは3差となっている。
 勝点23で他のチームと一気に肩を並べてから本格的な残留争いのスタートとする皮算用だったが、勝点は20のまま。このあとはツエーゲン金沢、柏レイソルと強敵が待ち受けるが、たとえ1ポイントずつであっても勝点を重ね、少しずつ残留圏浮上をめざしていきたい。
「連敗は絶対に避けないといけない。勝点を1でも3でも積んでいかないといけない状況に変わりはないので、次は金沢ですけど、しっかりとミーティングのもと、どういう攻撃の仕方や守備の仕方でと、メンバー全員で共通の認識を持ち、臨みたいと思います」
 宮本航汰はこう言って力をこめた。精密に戦うすべを組み立て、テーマを持ち、試合に臨む姿勢に変わりはない。
 
◆岐阜をリスペクトしてきた福岡
 
 柳澤亘がサイドバックを務める岐阜の左サイドを福岡が衝いてきたと見るや、北野誠監督は柳澤を下げて甲斐健太郎を左サイドバックに移し、交替で入った阿部正紀をセンターバックに配置した。甲斐は柳澤より守備が強いが、柳澤ほどいいクロスを何本も入れられるわけではない。
 こうした“帯に短したすきに長し”の才能を持つ選手たちの長所を組み合わせてチームを組み育ててきたが、攻撃に目を移すとこの試合では1点も獲ることができなかった。北野監督が記者会見の冒頭で「こんなにアタッカーがいるのにも関わらず1点も獲れないのは、監督である自分の責任だと思います。今後、選手たちの(能力の)引き出し方をしっかりやっていきたい」と述べたのは当然のことだったのかもしれない。
 
 しかしアタッカーの力を引き出せなかっただけではない。フォワードあるいはゴール前のエリアにいいボールを入れられなかったことも無得点の原因だ。
 福岡のフォーメーションは3-4-2-1。中央に篠原弘次郎を置き、

(残り 3346文字/全文: 4647文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ