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栃木SCと引き分け、攻撃を自重した対価の勝点1。勝点3奪取に向けた改良が急務【J2第31節レポート第2報】

 

口を真一文字に結ぶ試合前の北野誠監督。並々ならぬ決意がうかがえたが、引き分けに終わった。

J3降格へと向かう時計の針を止められるか――。

 22位で迎えた9月7日のJ2第31節、FC岐阜は岐阜メモリアルセンター長良川競技場で21位の栃木SCと対戦し、0-0のスコアレスドロー。勝点1を加えたが最下位からの脱出は果たせなかった。
 今シーズンも残すは12試合のみ。J2残留を果たすには、勝点3を積み上げていくしかない。力を試されるのはこれからだ。

◆重苦しい雰囲気の0-0

 どちらのチームにとっても大一番。終始、重苦しい雰囲気が漂っていた。
 第30節では4バックを採用していた栃木は最終ラインから藤原広太朗を外して長身選手を揃えた3バックとし、防御の構えを明確にして臨んできた。対照的に前線は大黒将志を中心に三宅海斗と西谷和希を並べ、身長190cmのキム ヒョンはコンディションの問題もあってベンチに座ったままだった。

 前半34分、ボックスの少し外から、右サイドハーフのフレデリックの狙いすましたクロスが左のエリアへと送られる。ここに走り込んできた馬場賢治がダイレクトでの左足シュートを敢行するも、やはり難度の高いプレーだったか、ボールは枠を逸れていった。後半45分に放った塚川孝輝のヘディングシュートも、枠を捉えることはできなかった。

 後半も背後をとらせない守備を維持したままの攻撃でなんとか得点を挙げ、1-0で勝ちたいという狙いは両チームから感じられた。
 先にベンチが動いたのは岐阜。後半8分、フレデリックに替えてジュニオール バホスが入った。バホスは前田遼一との2トップ、それに伴い2トップだった川西翔太が右サイドハーフに移った。しかしこのあと北野誠監督が動くことはなかった。精度の高いパサーとして市丸瑞希、個人技で何かを起こすサイドハーフまたは2トップ要員としてミシャエルが控えていたが、彼らは起用されなかった。
 対照的に栃木の田坂和昭監督は戦術上有効なカードを2枚切った。
「“行ってこい”の展開でカウンター、カウンターの仕掛け(応酬)になるので、サイドバックの裏に長いボールを蹴る瀬川がいいという選択をしました。そしてラスト(残り)15分、向こう(岐阜)がどういうカードを切ってくるかわかりませんけど、平岡翼を投入しました。相手は背後を取られるのが嫌だと思ったのでワンチャンス、ツーチャンスあればと思ったんですけど、そういう勝負どころを狙っていました」(田坂監督)

 後半46分、後方からの長いボールに対して平岡がボックス内に走り込み、あわやゴールという場面を迎えるが、ここはヤン オレ ジーバースが前に出て防いだ。命拾いをした岐阜はアディショナルタイム最後のプレーとなった直接フリーキックにすべてを託すものの、バホスの蹴った一撃は枠へと飛ばず。全体としては優勢に進めながらも、念願だった勝点3を獲得することはできなかった。

◆無得点と無失点の舞台裏

 もちろん、北野監督はこの結末を悔しがった。
「この前(栃木戦前の囲み取材時)も言いましたけど、

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