炭鉱のカナリアとして警鐘を鳴らす仕事、12番目の戦士として戦う仕事【無料公開/後藤勝コラム】
ボランティアで働く、チケットやグッズを買う、知名度を高めるべく“布教”する、地域の経済を活性化させる──サポーターのミッションは多岐に渡るが、試合中に関してはタイトルに掲げたふたつが主な仕事になるだろう。ひとつは、選手やスタッフの気持ちを高めて勝つ確率を上げること。もうひとつは、チームの成績や試合の内容がよくないとき、このままでは危ないぞと警鐘を鳴らすこと。
選手も人間なので、罵詈雑言を浴びせられていい気持ちはしない。『叱咤激励』と書くように、叱ったり励ましたり、そのバランスが重要になってくる。ましていまどきの若者ともなれば、言い過ぎると逆効果にもなりかねない。
その点、栃木SC戦でのビッグフラッグ掲揚はすばらしいアイデア、行動だった。だが残りの試合数が少なくなってきて、辛口のメッセージが必要なのではないかとも感じる。
チーム内には危機感がある。
大木武前監督から北野誠監督に指揮官が交替し、戦い方も変われば、評価基準も変わる。当然、試合に出られなくなった若い選手には悩みが多くなる。
北野監督はここを整理させた。全員に向けて「守備ができない選手は使わない」という明確な基準をあらためて示し、試合直前の戦術練習では、シミュレーションで対戦相手役を務めるサブメンバーに、その仕事をチームのために遂行するよう求めた。
結果として若い選手たちは「いまの自分に足りないのは守備」と認めるようになり、戦術練習の強度を保つようになった。
人間、感情的に悪口を言われれば気が滅入る。しかし特定の問題やプレー内容に限定して不足を指摘されたなら、聞く耳を持つ。真摯な辛口であれば理解されるはずだ。
試合中の選手たちが緩みかける、あるいは集中を切らしそうなのであれば、注意を促す声がどれだけ飛んでもいいだろう。最低でも勝点1が必要な試合、絶対に勝点3を獲らなければいけない試合に、それぞれ横断幕やゲートフラッグで気づきを促すのもいい。そしてあの『密集肩組み』をすれば、後押しの気持ちはきっと伝わる。
残留か、降格か。感覚が鋭敏になるこの時期だからこそ、送り手次第で受け手もメッセージを受け止めやすくなる。
残り試合数がイコール縮められる勝点差という通説を信じるなら、勝点8差のFC町田ゼルビアまでは射程圏内。そしてFC岐阜は町田、鹿児島ユナイテッドFCとの試合を残している。まだ諦めるには早い。精一杯、できることをやってみよう。
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