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逃げていった2ポイント。ラストでレノファ山口FCに同点弾を許し苦境に陥ったFC岐阜、この試練を乗り越えろ【J2第35節レポート】

 

苦しいチーム状態を象徴するように、宮本航汰は右腕を吊った姿で挨拶にあらわれた。

 4分あったアディショナルタイムの終わりに混戦からこぼれ球を押し込まれ、同点に追いつかれる──白星を得るはずが、最後の最後で掌中から2ポイントが逃げていく、衝撃的な引き分け。北野誠監督が「勝点3を獲らなければいけないビッグゲーム」と位置づけ、勝利を意識して組んだプランを完遂し、鹿児島ユナイテッドFCそして栃木SCを射程圏内に捉えるつもりだっただけに、FC岐阜の心理的なダメージは大きかった。
 10月6日、ホームの岐阜メモリアルセンター長良川競技場にレノファ山口FCを迎えて開催されたJ2第35節はこうして1-1の引き分けに終わった。

◆何が失点を招いたのか

 守備がよければ点は獲れる。北野監督が口癖のように言っている言葉が実現した前半だった。特に崩しに行ったわけではない。予定された守備を忠実に遂行しているうちに、結果的に点が獲れた、という先制場面だった。中島賢星の強烈なシュートを相手ゴールキーパーの吉満大介が弾いたところを、好調のミシャエルが蹴り込んだ。これで2戦連発。

ベンチに向かい走っていったミシャエル。サブメンバーそしてスタッフと喜びを分かち合う。

中島賢星の強烈なシュートが先制点の呼び水となった。

 前半の内容は非常によかった。ミシャエルに監督から託された役割の説明を求めると次のように答えられた。
「2トップのときは、今日は相方が(中島)賢星ということで、賢星とふたりで常に真ん中を通させないようにしっかり真ん中を締め、ポジショニングに関しては賢星と顔を合わせてプレーしろ、コンパクトになるように、と言われていました」
 後方から見ていたセンターバックの當間建文も「前線のふたりがプレッシャーに行き、コースを限定してくれるから、ボランチのところで引っ掛けて獲りきることができた」と、戦術の遂行を振り返った。
 前ではプレッシャーをかけながらコースを限定する。自陣にボールが入ったら、

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