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割り切った45分間!スコアレス任務を完遂して3ポイント獲得に成功、だがここからは連勝のためにも積み上げていくべき。次節に向け、甲斐健太郎「回復は絶対条件」【J3第11節再開試合「福島ユナイテッドFCvs.FC岐阜」マッチレポート】

 

中盤と最終ラインが密接した状態を保つようコミュニケーションをとりつづけた。 ©FC GIFU


 隠密行動中のFC岐阜がアウェー3連戦の2戦目、とうほう・みんなのスタジアムでJ3第11節再開試合の福島ユナイテッドFC戦に臨み、後半45分間を0-0で終えた。この結果前後半トータルで2-0の勝利を収め、勝点3を獲得。2位から6位までの各チームより1試合少ない状態での7位に浮上した。
 
 2-0で2点のリードを奪っていた時点での中断からの再開試合。しかも後半45分間のみ。ふつうの試合よりもやるべきことは極端に絞られてくる。6日の第14節アスルクラロ沼津戦は、この福島戦後の記者会見に登壇した甲斐健太郎が「相当ひどい試合であったことは自分らでもわかっている」と吐露するほどの惨状。特に、その時間帯にどういう狙いでどういう戦い方をするのかという共通認識が十分ではない点が課題としてクローズアップされた。しかしそこからの修正を図ったこと、そして福島戦の目的がこれ以上ないほどにシンプルであることで、意思統一は沼津戦とは比べ物にならないほど徹底された。彼らはきわめて戦術的に、想定したとおりに時間を費やしていった。
 
 福島はキャプテンマークを巻いた左サイドハーフ7番田村亮介を中心にチャンスをつくりイスマイラに決めさせようとギリギリのところを狙ってくるが、岐阜のセンターバック、甲斐とイヨハ理ヘンリーがペナルティボックス内ですばやく反応し、あるいは粘り、際(きわ)のところで相手のシュートを防ぎ、身体を張ってゴールを割らせない。そしてそのディフェンス陣に連動して中盤が離れずコンパクトな守備組織を保ち、攻守のバランスを壊さないよう状況をコントロールしつづけた。福島の活気ある攻撃は非常に魅力的であり、1点を奪おうとする迫力があったが、岐阜は45分間を通じてイタリアのカルチョを思い起こさせる堅牢さを維持しつづけた。イスマイラを擁する福島を相手に、ゲームを壊さず終わらせるという意味では、対策としては完璧だった。地域のサッカー熱を高めクラブを核とするコミュニティの輪を拡げていくためにもまずはおもしろいサッカーを見せチームを成長させていこうとする、ある意味で純粋な福島の情熱を利用するような試合運びだった。
 

ゴールキーパーの松本拓也を含め、11人がひとつの目的に向かって集中していた。 ©FC GIFU


 ただし目の前の試合に勝つための対策と狙いを徹底した代償として、

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