第16期決算の内容を読み解く。“攻めの赤字”でクラブ全体を強化【ぷち★ぎふ/今週のショートニュース/無料コーナー】
4月27日にFC岐阜の第16期定時株主総会及び種類株主総会がおこなわれ、決算が承認された。令和3年(2021年)2月1日から令和4年(2022年)1月31日までの第16期は1億3018万4000円の当期赤字(当期純損失)を出しているが、これはJリーグからの分配金が減少、またコロナ禍で入場料収入が減少するなかでも選手やスタッフの人件費を増額したことにより費用が利益を上回ったものであり、債務超過に陥っているわけでもなく意図した“攻めの赤字”と言っていい。
◆思い切った勝負に
岐阜は存続危機に陥ったあとの過去数年間、再建のため黒字化を達成する必要があり、身の丈に合った健全経営を志して人件費も抑制せざるをえなかった。だが今般一定の経営基盤を築き組織を発展させる段階に到達、またJ2昇格を達成しJリーグでの存在感を示すだけの基礎力を得るべく、クラブとして思い切った勝負に出た格好だ。
第16期の営業収入は約7億5000万円だが、第17期は約8億5000万円から9億円を予想。大型補強の成果で広告料収入や販売収入が増加する見込みで、収支の面でも前向きな材料だが、重要なのはフットボールクラブとしての競争力を担保すること。第16期の球団費は4億4500万円であり、前年比で5400万円も増えている。これからも必要性を鑑みてチームに対し惜しみなく強化費を注ぎ込むことになりそうだ。なお昨年末に発表済みの増資は今回の株主総会で正式に決議、承認されている。
フットボールクラブとして成長のビジョンを掲げるにあたり今後必要な設備は何かを訊ねると、小松裕志社長は第一に「クラブハウス付きの練習場」を挙げた。
「現状でも県や市から相応のサポートをいただいていると思っていますが、これからよりクラブを発展させるには、我々のために管理された練習場がまず欲しい。クラブハウスも、岐阜の皆様に集まっていただけるような規模のものを想定しています。他のクラブさんに比べSDGsの活動を厚くさせていただいていますが、若い選手が適切な栄養をとれる食事を提供すると同時に県民の方に来ていただける食堂を設け、野菜を安価に仕入れて地域の子どもに提供したり、“ゴッドハンド”と呼ばれる野﨑(信行トップチームコンディショニング・スーパーバイザー)さんのメソッドを整体指導で提供するなど、やりたいことがたくさんあります」
大きめの地域コミュニティプラザ内にジムや浴室、食堂、リラックスルームなどフットボール関連の施設を含むイメージが小松社長にはあるようだ。社長自身、浦和レッズのジュニアユースでは土のグラウンドで練習していたが、2005年に大型施設のレッズランドが創設され、環境が変わっていく様を目の当たりにしている。トップチームの大原のクラブハウスも併せて上質の建材を用いた最高級の施設群が浦和の成長に関係していることは間違いなく、岐阜をより発展させるべく、選手やスタッフといった“人”に加えて“モノ”を充実させていく時期が訪れているのではないだろうか。
*********************************************
[FC GIFU INFORMATION]
▼公式twitter https://twitter.com/fcgifuDREAM
▼公式facebook https://www.facebook.com/FCGIFUPR/
▼公式Instagram https://instagram.com/fcgifu
▼公式サイト https://www.fc-gifu.com/
*********************************************