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横山雄次監督率いるFC岐阜の逆襲【現状の分析とこれからのチームづくり】

 

撮影:後藤勝


 17本のシュートを放ちながら3-4で藤枝MYFCに敗れた翌日の5月5日。練習が終わったあとの午後、横山雄次ヘッドコーチは山道守彦チーム統括本部長から「監督をやってくれないか」と打診された。その場ですぐには返事を出せない。「考えさせてください、ふたつ返事でやりますとは言えません」と告げ、猶予をもらった。
 もし結果が出ていない責任をとって三浦俊也監督が退任するなら、その体制でヘッドコーチを務めていた自分にも責任がある。FC岐阜にやってきたのも三浦監督に呼ばれたからだ。なのに、引き受けてよいものなのだろうか──。

 夜になり、熟考の末に横山ヘッドコーチはオファーを受け容れる旨の返事をした。その理由は、ひとつには山道本部長の要請が根拠と熱意を伴っていたことだ。山道本部長はこの時期に外部から新監督を招聘するよりもチーム事情を把握して改善すべきところもよく理解している横山ヘッドコーチのほうが適任だと、白羽の矢を立てた。

 もうひとつは“意地”だった。道義的にやっていいのか、筋が通らないのではないかとも思い、この時点で岐阜での仕事を辞めることも考えた。あるいは、監督をやるにしても新しい監督が来るまでの暫定でやるのがいいのかとも考えた。なによりこの状況で岐阜の監督職を務めるモチベーションが己にあるのかも自分自身に訊ねる必要があった。だが最終的には「このまま終われない」という気持ちが強く浮かび上がった。
「反骨心とか、闘争心、そういう気持ちが逆に上回ったというところかなと思います。で、引き受けさせていただきました」

 こうして5月5日夜に横山新監督が内定した。翌6日、練習が始まる際に山道本部長が監督交代を告げ、そして横山監督はこれから自身が指揮を執ることを選手たちに伝えた。岐阜県大会決勝に向けた準備が、新体制最初のトレーニングになった。

「こういう世界ですから結果がすべてだとは思いますが、もちろんすべてが悪かったわけではなく今年のいい部分もありますし、選手のこういうところをさらに修正すればもう少しよくなるんじゃないかと、課題も同時に自分のなかでわかっていてそれに取り組んできたところもありました。ぼくがいま感じていることを直接ぶつけることでチームを改善させるという意味で、内部を見ていたメリットがあるのかなと思います」

◆守備時の問題点をどう克服するか

(残り 3532文字/全文: 4585文字)

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