「football fukuoka」中倉一志

宮崎キャンプレポート 第1日目

150204_01A

2日、福岡の宮崎キャンプが始まった。まだ肌寒さも残るが、少し体を動かせば汗ばむ程度の気温が心地よい。きれいに整備された生目の杜運動公園陸上競技場の緑の芝生が眩しい。いつも最高の準備をして迎えてくれる宮崎市の配慮に、改めて感謝の想いを強くする。キャンプ期間は13日間。監督、スタッフが代わり、中村北斗、鈴木惇、末吉隼也ら3人の復帰組を含めて10人の選手が加わって新しくなったチームは、その成熟度を上げるために、宮崎の地で連日ハードなトレーニングを行う。

午前中に宮崎入りしたチームが生目の杜に姿を現してのは15:00少し前。まずは新ユニフォームお披露目のフォトセッションを行い、続いてJリーグ等宮崎協力会による歓迎セレモニーが始まる。出迎えてくれたのは、宮崎市スポーツアドバイザー・川崎公村氏、宮崎市観光商工部・梶谷欣也部長、そして月見ケ丘幼稚園の8人の園児たちだ。

記念品贈呈に加え、温かな歓迎を受けた井原監督は、「また宮崎を戻ってくることが出来て、みなさんには感謝している。新生アビスパとして新たにスタートしたアビスパは、目標であるJ1昇格に向けて、この地で精一杯の成果が上げられるように、いいキャンプを過ごしたい。年末にはいい報告が出来ると信じている」と挨拶。そして、月見ケ丘幼稚園の園児たちは「練習、頑張ってください」とかわいい声でエールを送った。

さて、初日の練習が始まったのは15:30。午前中に福岡から移動してきた疲れを取るかのように念入りに体をほぐし、リラックスした雰囲気の中で行われたボール回しでは、あちこちから笑い声が起こる。そして、選手たちの表情が真剣なものに変わったのは、守備側9人、攻撃側8人で行われた戦術練習の時。井原監督が細かく指示を出し、選手たちは、そのひとつ、ひとつを確認しながら、全体の連携を整えていく。

ポイントは、高いラインとコンパクトなゾーン。最終ラインに5枚、その前に4枚の2つのフラット気味のラインを敷いて、相手の攻撃を待ち受ける。狙いは、まずは縦にボールを入れさせないこと。そして、ここぞというところでスイッチを入れると、数的優位を作って素早くプレスをかけて攻撃に転じていく。雁の巣球技場でのトレーニングがフィジカル強化が中心であったこともあり、まだ成熟度を問う段階にはないが、ボールを入れさせないという点では、少しずつ、少しずつ、理解度が高まっているように見える。

この日は一時間ほどでトレーニングが終了。終了後の囲み会見に臨んだ井原監督は「キャンプのテーマは、試合をやりながらチーム力を上げていくことがメイン」と話し、今シーズンのキャプテンに城後寿を、サポート役としてサブキャプテンに中村北斗と末吉隼也を指名したことを発表。チームをけん引する重責を担うことになった城後寿は「言葉でチームをまとめるタイプではないが、自分にしか出来ないこともあると思う。チームのために、自分が出来ることを全うしたい」と話した。

いよいよ始まった宮崎キャンプ。福岡は、この地からJ1の舞台を目指す。

【中倉一志=取材・文・写真】

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ