「football fukuoka」中倉一志

アウェイの旅2015 横浜編(その1)

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今シーズン初のナイターはアウェイの横浜FC戦。会場のニッパツ三ツ沢球技場は、関東に住む福岡出身者にとっては行きやすいスタジアムで、九州以外のアウェイでは最もサポーターが集まる場所でもある。また、羽田空港から京急を利用すれば横浜への所要時間は30分ほど。羽田空港経由で最も近いスタジアムでもあり、福岡からの移動も他のアウェイと比べれば、かなり楽だ。飛行機を利用すれば、単純な所要時間だけなら大分銀行ドームへ行くのと大きくは変わらないかもしれない。

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平日開催のため、開場直後は人がまばらだったアウェイ側ゴール裏も、時間が経つにつれ、仕事を終えて駆けつけてくるサポーターの数が増えてくる。仕事帰りということもあってスーツ姿が目立つ。いつも会う仲間の見違える姿を見ることが出来るのも平日開催ならではだ。そして、写真左は、いつも雁の巣に足を運ぶ熱心なサポーターMさん(後列左)と、今は浜松に住むお嬢さんとお孫さんたちと、この日知り合った関東在住のちびっ子サポーター2人。Mさんは、わざわざ浜松経由で家族総出て福岡の応援に来てくれた。ちなみに、Mさんはここまでアウェイ皆勤だ。

さて、レプリカユニフォームに着替えたら、福岡から来たサポーターも、関東在住のサポーターも、ひとつになって「おらが町のチーム」の名を叫ぶ。その声援に背中を押された選手たちが躍動する。7分に酒井宣福が先制ゴールをゲット。続く20分には中原貴之がPKを決めてリードを2点に広げた。その後は、守備重視の戦い方に変更し、効果的にカウンターを繰り出していく。そんな福岡の戦いの前に、横浜はボールを持つもののチャンスを作れないまま時間が過ぎていく。

だが、守りの意識が高くなりすぎたのか、後半に入ると横浜の攻撃が活性化してくる。福岡も粘り強く対応していたが、76分に1点を返されると、ここからは横浜のリズム。そしてアディショナルタイムの4分が終わろうかという時に、福岡はミスからCKを献上。そして、ラストワンプレーで再びゴールを許して試合は2-2のドローに終わった。言いようのない脱力感に襲われる。しかし、前を向いて進む以外に悔しさを晴らす方法はない。

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さて、この日は効き目がなかったが、試合前には「敵を倒すには、まず敵を喰え」とばかりに、ご当地グルメを楽しむのが常。今回は横浜駅構内で「崎陽軒のシウマイ」をチョイスした。シウマイ弁当が初めて発売されたのは1954年。以降、変わらぬ味を守り続けている。おかずはシウマイ5個の他に、切り昆布、千切り生姜、鶏のから揚げ、玉子焼き、かまぼこ、鮪の照り焼き、筍煮、青梅、そして、お口直しの杏のシロップ漬けの合計10種。これも発売以来変わっていないらしい。なお、シュウマイではなく「シウマイ」と呼ぶのは、初代社長のなまりに由来する。

崎陽軒のシウマイは「冷めても美味しい」が売り文句。冷めたシウマイの食感は、やや固い感じだが、しっかりと味付けられていて確かに美味しい。また、シウマイ弁当と言いながら、様々なおかずが入っているのも嬉しい。そして、甘すぎない杏のシロップ漬けが、絶妙なアクセントになっている。ご飯が、ふっくら、もっちりしているのも特長のひとつ。コンビニ弁当とは全く違う。なんでも、厳選したブレンド米をオリジナルの蒸気炊飯方式で炊いているからだそうだ。

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そして、この日はポカポカ陽気に誘われて、横浜駅からスタジアムまで歩いた。のんびりと歩いて20~30分ほど。ビル街を抜けるとスタジアムまでは坂道が続くが、膨らんだお腹をへこますにはちょうど良い運動だ。また、試合だけではなく、相手チームのホームタウンを楽しむのが私のモットー。名所巡りではなく、地元の人たちが生活している空間を歩くのも楽しいものだ。私が好きだった、昭和の香りが漂う、おにぎりやお寿司を売っていた店がなくなってしまったのにはショックを受けたが、これも時代の流れだろう。

その代わり、すぐそばにお肉屋さんを発見。当然のように、お肉屋さんの惣菜を覗き込む。焼き鳥を中心に、メンチカツ、ハムカツ、コロッケ、シュウマイ、珍しいところではカレーパンも並ぶ。早速、焼き鳥5本と、メンチカツ、ハムカツを買って、口に頬張りながらスタジアムまでの道を歩いた。行儀が悪いと言うなかれ。これも旅の恥はかき捨てだ。それにしても、肉屋さんのお総菜はなぜにこんなにおいしいのだろう。しかも、行儀悪く食べると、その味が引き立てられるから不思議だ。う~ん、食べ物の臆は深い。(その2に続く)

【中倉一志=取材・文・写真】
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