「football fukuoka」中倉一志

誰が出てもやってくれる(井原監督)

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内容:練習後の共同囲み会見
日時:2015年7月9日(木)
場所:雁の巣球技場

◎井原 正巳監督;
Q:北九州戦ではセットプレーから得点を挙げましたが、オープンプレーの評価については、いかがでしたか?
「北九州戦に関しては、ある程度前からプレスをかけて、ボールを奪って速い攻撃というのがあったと思いますし、惜しいシーンも何回かありましたから、オーブンプレーではゴールにつながらなかったですけれども、チャンスというのは数多く作れたのではないかと思います。また、速攻だけではなくて、しっかりとボールをポゼッションしながらボールをつないでいくという意識、速い攻撃だけではなくて、ボールを回しながらゆっくり攻めるという点では、今までの試合の中では、かなりいい形で判断出来ていたのではないかと思います。後半のクロスからの城後のヘディングシュートや、前半にも亀川のシュートがありましたけれど、十分にゴールに近づいていましたし、多くのチャンスは作っていたとは思います。ゴールはどういう形であれ、それはチームにとっては最高の結果だと思います。それがオープンプレーから生まれれば、より相手を崩したという形にはなりますが、セットプレー絡みであっても、十分に相手を崩したと思いますし、それは、それぞれのチームの特徴でもありますから、現状はポジティブに捉えていきたいと考えています」

Q:4点目にしても、亀川選手が仕掛けたからこそ生まれたセットプレーでした。
「そうですね。ああいうシーンがあったから生まれた4点目だと思いますし、1点目にしても、いい形で右サイドで奪って、城後がクロスを上げて、相手のクリアがコーナーキックになって、その流れから生まれたロングスローですしね。どんな形であっても、押し込むことが大事だと思います。ただ、我々もロングスローから失点しましたし、守備のところでは25失点もしているので、そこは、後半戦は修正していかなければいけないと思います」

Q:水戸は監督が代わりましたけれど、同じ流れのチームですし、選手はメンタルが変わって元気になっている印象もあります。
「監督が『闘将』から『後輩』になりましたけれど(笑)、西ヶ谷が監督になってからは2勝2分1敗と立て直して来ていますし、全員がハードワークして戦うし、フィジカルが強い選手が揃っている中で、組織的な守備もしていますし、かなり手強い相手だと思います。彼が監督に就任してから、接戦をものにしたり、どの相手であっても、常に厳しいゲームをやっていますから、次もそういう試合にはなると思います。特に前の選手はよく走るし、球際も厳しいし、フィジカル、高さ、走力が前線には揃っていて、ゆっくりつないで崩すというよりも、走って、シンプルに来るところがあると見ています。ですから、その辺りは、うちのディフェンス陣がしっかりと耐えなければいけないと思いますし、そういう部分に負けないことが大事だと思います」

Q:すごくいいイメージで蹴っていた鈴木選手が出場停止というのはもったいない気がします。貢献度の高い選手なので、戦い方も少しは変わるようにも思いますが、その辺はいかがでしょうか?
「キッカーがいないですからね、誰が蹴りますかね(笑)。もちろん、スエ(末吉)も蹴れますし、ノリ(酒井宣福)も、(阿部)巧も蹴れます。去年は英二郎がいましたが、(中原)秀人が蹴ったり、(平井)将生が蹴ったりもしていましたし、5-0で勝ったアウェイの東京V戦では、秀人が蹴って得点になったシーンもありました。精度の問題は少しはあるかもしれませんが、そこはみんなで カバーしていきます。前半戦の水戸戦でのゴールは(鈴木)惇のヘディングシュートでしたから、その惇がいないのは気にならなくはないですけれど、代わりに出る選手が高いモチベーションで頑張ってくれると思いますし、そういうチームになってきていると思うので、誰が出ても、チームのためにやってくれるはずです。3人ほど抜けて選手がいないんですけれども、そういう雰囲気や、いい競争がありますし、その中で、みんながひとつにまとまってやってくれているので、そういうところを大事にしたいと思います」

Q:東京V線からダービーまでの間は、メンタル的な面での指示のようなものはされたのでしょうか?
「最後に失点して追いつかれましたけれど、いつもと同じです。それは、我々に力がなかったということです。でも、それを次につなげていくことは我々には出来ると思うし、そのきっかけがダービーだったということです。ダービーは選手たちも自然と盛り上がるので、精神的な部分というのは、それほど強調はしませんでした。連戦は、上手くメンバーを交代させながら戦うというところで、みんなのモチベーションも高かったですしね。試合に臨むにあたって、『我々の目標は何なのだ』ということを再確認しましたが、選手が、それをしっかりと理解した上で試合に臨んでくれたことが大きかったです」

Q:試合の終わらせ方の悪さは今に始まったことではない中で、東京V戦のドローでしたから、何か精神的な面でのアドバイスをされたのかと思っていました。
「北九州戦に関しては、準備期間は3日間でしたけれど、しっかりと対策を練って、北九州相手に我々のやれることをやろうということでした。まずはコンディションを戻しながらというところと、細かなところですけれども、相手の特徴を抑えるところだったり、セットプレーも、もちろんやりましたし、そういうところが結果につながったのかと思います。選手が、よく自分たちでトライしてくれたし、前向きにトレーニングしてくれました。東京V戦は、ショックはショックでしたけれども、前向きに勝点1を捉えて帰って来ようと言っていたので、それほど落ち込んでいる感じはなかったですね」

Q:北九州戦では危なげない終わり方で、一方、東京V戦はああいう終わり方で、どちらも福岡だと思いますが、その辺りは、良かったり、悪かったりを繰り返しながら身に付けていくということなのでしょうか?
「結果論にはなると思うんですけれども、東京V戦では、例えば、あそこまで侵入される前に簡単に前へ運んでいればクリアで終わっていたかもしれません。でも、あそこが原因なのではなくて、最後に侵入されて、グァンソンが喰いついて、その間を割って入られた訳ですが、2対1なのに、あそこでファールをする必要があるのかとか、そういうところだと思いますね。もちろん、その前の段階で抑えられればベストですけれども、そういった細かいところが重なって失点をしているので、全体が、もっと前で押し込んで、そこで相手陣内で回せるくらいの力を身に付けないといけないかなとは思っています。そうなれば、試合の終わらせ方について、自分たちで主導権を握ってやれるのかなと思います。クリアしておけばよかったですけれども、後半の全体の流れとしては、攻撃に人数をかけられず、単発な攻撃しか仕掛けられない状況だったわけで、そういう状況にするだけのチーム力がなかったと捉えて、全体として変えていけるくらいにならないといけません。もちろん、選手たちは、そういうところを少しずつ意識しているし、時間も上手く使おうというところは以前よりは進歩していると思いますけれども、なかなか変われなかったりするのは、それがいまのチーム力なのかも知れません。まあ、磐田であってもそういうことがあるのがサッカーですが、みんなが一生懸命やってくれているので、いまも良くなってきていると思いますし、必ず良くなるとは思います」

Q:我々は、ついついメンタルのところに問題をもっていってしまうんですけれども、メンタルはもちろん、技術、戦術、すべてを含めた中で解決していくということでしょうか?
「そうですね。すべての要素が含まれていると思います。結果論的な部分もあると思いますが、そういうシチュエーションに、いかにして運ばれないかということが大事で、確率を、いかに減らしていけるかということだと思うし、勝っている状況だからこそ、より意識しなければいけません。北九州戦では2点のリードがあったから、まだ余裕があったかもしれないし、もう1点入れられたりしていたら、また慌てていたかもしれません。ですから、我々スタッフも含めて、全体のレベルを上げていきたいと思います。1点差でも、2点差でも、3点差でもあっても、最大の集中力を持っていなければいけないと思っているし、安心したらやられると思っているので、余裕のある試合は、なかなかないですね」

Q:現在5位に付けていることに関しては、どのように捉えていらっしゃいますか?
「この順位にいることが大事だし、そこは自信を持っていいところですね。半分を超えたところでここにいるわけで、5位という順位は十分な位置だと思いますが、大事なことは、この位置を、しっかりと維持していくことなので、そういうところは突き詰めていかないといけないと思います」

Q:試合の内容とは異なりますが、平日のナイトゲームに拘わらず、7000人を超える観客が集まったことに関しては、いかがでしょうか?
「天気も悪かったですし、どれだけ入るのだろうかと思っている時に、あれだけのお客さんに入っていただいて、本当にありがたいことです。8.6の影響も大きいかもしれませんが(笑)、クラブの営業担当もいろんな努力をしてくれています。その中で、我々としては、試合で結果を求めていくしかないし、勝つことで、また盛り上がると思うので、引き続き頑張っていきたいですね」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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