「football fukuoka」中倉一志

8月をいかに乗り切るか(井原監督)

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内容:練習後の共同囲み会見
日時:2015年7月29日(水)
場所:雁の巣球技場

◎井原 正巳監督;
Q:改めて7月を振り返ると、敗れたのは大宮戦だけで、苦しみながらもコツコツと勝点を重ねてきたように思います。
「そうですね。でも第4クールの勝点は5くらい足りなかったので、既に第5クールは2試合を消化しましたが、そこでいかに取り戻していくかということだと思います。大分、金沢、磐田、岡山までで第5クールなので、そこで勝点を少しでも取り戻せれば、まだまだチャンスはあると思っています。プレーオフ進出争いは団子状態ですが、終盤まで、その中にいることが大事だと思いますし、2位の磐田も、ちょっともたついてくれているので、その中に巻き込むことが出来れば、2位を含めての団子状態ということで、より可能性が高くなるのではないかと思っています。そのためには、1戦、1戦、勝点を取り続けるしかなく、この夏場の8月をいかに乗り切るかが大事になると考えています。8月からは天皇杯も入ってきますが、スケジュール的には1週間で1試合になりますし、けが人等が出ましたけれど、8月に戻って来てくれれば、戦力としては、しっかりとしたものになると思っています。そういう意味では、ディフェンス陣に怪我人が何人か出た中で、代わりに出た選手が頑張ってくれましたし、何とか、上手くやりくりしながら連戦を乗り切れたのは良かったと思います。ただ、得点が若干増えている半面、失点は多く、第4クールは6試合で10失点していますし、複数失点試合が4試合もあったので、そこはしっかりと反省して、この第5クールで減らしていかないといけません。要因はいろいろとあるのですが、メンタル面、戦い方の部分も含めて、この8月により改善して行きたいと思っています」

Q:大分は監督が交代し、順位が下位に低迷していることもあり、現実的な戦い方に徹している印象があります。監督は、どのように見ていますか?
「監督が代わって、しっかりと結果を出して来ていますよね。高松選手などは、ベテランとしてしっかりとプレーしていますし、チームは、やり方自体をシンプルにして、システムも変えながら結果も出してきています。九州ダービーですから簡単な試合にはならないと思いますし、ホームで2勝して乗り込んでくることや、順位的なものも含めて、かなり厳しい試合になるのではないかと思います」

Q:最終ラインは全員がCB系の選手で、後ろでがっちりと守っているイメージもあります。
「安川と山口の両サイドはCBではありますけれども、積極的に出て来ますし、守備も堅いイメージがあります。相手の攻撃というところでは、セットプレーのキッカーでもある兵働が出場停止というのは、我々にとっては助かる部分ではありますが、誰が出てくるのかというところもありますし、高松や三平はもちろん、両サイドの2人も非常にアグレッシブで点も取っていますから、そこはしっかりと抑えたいと思います」

Q:長崎戦ではシュート数が5本と少なかったのですが、そのこと自体はいかがでしょうか?
「もう少し思い切りよくシュートを狙ってもいいのかなと思いますね。相手は10本打っていて、ミドルシュートの意識が高かったのかなとは思いますけれど、我々も、そういう意識は高めていかなければいけません。それと最後の部分の精度と言いますか、ラストパスだったり、フィニィッシュの1本前のチャンスに至る過程であったり、その部分は、まだまだ改善の余地があります。長崎戦は、ピッチコンディションとか風、雨等の影響もあって少し雑だったこともあるんですけれども、そこは後半戦で、もっともっと高められる部分だと思います。また、セットプレーも何本かありましたけれども、それも、より効果的にフィニィッシュまでつなげられればと思います」

Q:ウェリントン選手が3試合、途中から出てましたが、コンディション的には、どんな状態でしょうか?
「だいぶ上がってきたと思います。彼自身は、湘南時代と比べたら『まだ全然』と言っていますし、90分間プレーするのは難しいかなとは思いますけれども、コンディションは確実に上がってきていますし、コンビネーションも含めて、他の選手も彼の特長は掴んで来ています。いまは30分程度の少ない時間ですが、そうやって出続けることで良くなって行くと思います」

Q:ウェリントン選手は、低い位置まで下がってくることが多い印象があります。
「彼のプレースタイル自体が守備でも貢献するというものですし、彼も、それを分かった上で、湘南の時のスタイルを、そのまま継承してくれているんだと思います。守備をやりすぎるなとも言えませんし(笑)、もちろん、攻撃もしっかりとやってくれていると思っています。ただ、ウェリが出た時の攻撃の形というものを、もう少し確立していかなければいけませんね。そこの部分については、ゲーム時間を重ねることによって、試合で高められる部分もあるし、練習の中で、お互いをより理解して、彼の特長を活かしつつ、攻撃の形、バリエーションを増やしたいと思いますね。タカ(中原貴之)と似たようなところもあると思いますが、より強さがあり、キープ力もあります。また、周りを活かすことも出来ますし、相手を引きつけられる選手でもあるので、そういった特長に対し、他の選手が、どのように絡んでいくのかというところですね」

Q:守備も湘南の時の癖で、結構、ガッと行ってしまい、後ろが付いてこない状況になっているようにも見えます。
「ウェリが行ったらみんなも行くよという話はしいますし、ファーストのスタートラインをどうするかということも話しています。ただ、そうは言っても、行ける時には、みんなで行こうと話をしているので、そこは試合の中でのコントロールに任せているところはあります。ただ、ウェリだけが行って、他の選手が行っていないというのは、ウェリに限ったことではなく、ノリ(酒井)が1トップに入っても、ノリだけが行って、他が行っていないということはないようにしようということなので、そこはみんなでコントロールしながら合わせていこうということですね。特に夏場は体力を消耗するのはもったいないので、そこは戦い方として修正している部分ではあります。ただ、今のところは、途中からの出場で、ああやって献身的に守備もしてくれるし、スイッチが入りやすいと感じています。外国籍選手で、スピード感を持って守備をしてくれる選手は少ないので、彼の姿に対して、チームとしての信頼というものが非常に厚くなってきているところではあります」

Q:CBのやりくりが非常に厳しいように思いますが、その点についてはいかがでしょうか?
「いまいるメンバーでやるだけですね。週末には戻って来てくれる選手もいるので、その選手も含めて、いまいるメンバーを信頼してやるだけです。田村は2試合で活躍し、ふてぶてしいところも見せていますが、自信を付けてくれれば選手層も厚くなります。もともとボランチをやっていた選手なので、最終ラインならどこでも出来そうですし、真ん中でボールを配ることも出来ると思います」

Q:バトルオブ九州という意味では、何か特別な想いはありますでしょうか?
「今シーズンは、パドルオブ九州が、どんな盛り上がりをするのかなと非常に楽しみにしていました。福岡ダービーは、ダービー感と言いますか、また違った盛り上がりもありましたけれども、同じ九州内の戦いというのも、それぞれにプライドがあって、どの試合の大切な戦いだと感じています。今年は、週末の大分戦と、アウェイの熊本戦の2試合が残っていますが、ここまで負けていないので、負けない福岡を続けたいと思います」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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