「football fukuoka」中倉一志

いつもと変わらない(井原正巳監督)

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内容:練習後の共同囲み会見
日時:2015年11月19日(木)
場所:雁の巣球技場

◎井原 正巳監督;
Q:得失点差はありますが、とうとう勝点で磐田に並びました。その中で迎える最終戦について、どのように捉えていますか?
「いつもと変わらないですね。我々は追いかける立場ですし、次の試合で勝たないと話にならないと思うし、わずかに残されている可能性も消えてしまうと思うので、岐阜戦に集中して、しっかりと勝点3を積み上げることが一番大事かなと思っています。その上で、他会場の結果も含めて、あとはサッカーの神様がどちらに微笑むのかというところだと思います。我々がプレーオフに回ることになれば、それはそれで受け入れて、プレーオフでJ1昇格を目指して戦うだけですね。プレーオフに進むにしても、まずは岐阜に勝つことで、そこにもつながると考えて戦いたいと思います。ですから、磐田を意識すると言うよりも、自分たちが、岐阜に対してしっかりとした準備をして勝つことが大事かなと思います」

Q:どういう点に気を付けて戦いたいとお考えですか?
「岐阜がどういうふうな戦い方をしてくるのかというのは読めないところがありますね。前回に対戦した時は引き分けに終わっていますけれども、あの時は岐阜が急に3バックにしてきましたし、ラモスさんは、そうとう負けず嫌いな監督ですから、どういう形で来られるかというのは、メンバーも含めて試合が始まってみないと分からないですね。残留が決まったということですけれども、チームとしてはホーム最終戦なので、かなり気合も入っているだろうし、そういう意味では、うちもしっかりとした形で入らないといけないと思います。前線には、レオ・ミネイロ、難波を含めて、個の能力が非常に高い選手が揃っていますから、うちとしては、まずはしっかりとした安定した守備をしていかなければいけません。我々のホームで対戦した時もやられていますからね」

Q:ラモスサッカーの特長は、どのように見ていますか?
「個の質の高い選手が非常に多いですし、崩しであったり、テクニック、ドリブルなど、攻撃の部分でラモスさんが目指しているサッカーというのは、もちろん感じます。ですから、さっきも言ったように、その部分については、しっかりと抑えないといけません。また、メンタル的な部分で言えば、球際の競り合いだとか、戦う姿勢だとか、そういうものは、非常に強いものを岐阜は持っているので、そこでの戦いでは、うちも、より強い気持ちを持ってやらないといけないなと思っています。ビデオを見ても、球際とか、コンタクトのところは、かなり激しく、負けず嫌いな監督のサッカーを受け継いでいると言うか、チームとして浸透しているというイメージはありますね。そういった点でも、うちはしっかりと入らないといけません」

Q:選手たちには、どういう言葉をかけたいと思っていますか?
「いや、いつもと同じですよ。勝つしかないと思うので。じゃあ、慌てて点を取りに行くのかと言ったら、そうではなくて、いつも通りにしっかりと、立ち上がりからいい入りをして、我々がいままでやってきたサッカーをすればいいと思っています」

Q:まずは守備からというのは、これまで積み重ねて来たことだと思いますが、最近は点も取れています。改めて、攻撃面で手応えを感じている部分は、どのようなところなのでしょうか?
「相手とのタイミングもあると思います。たまたま大量得点になったというか、大きく点差が開くような内容ではない試合でも、結果として大量得点になったという試合も多くありますし、逆に、前節のように、やはり厳しい試合もあります。もちろん、全員がハードワークをして、チャンスには全員でひたむきにゴールを取りに行くという姿勢が複数得点につながっているところもありますが、そういう気持ちの部分が結果に表れているというのは、チームにとって大きいと思います。最後のところの決定力、攻撃の形というのが、ある程度、洗練されて来ている部分はあると思いますけれども、そうは言っても、この前の試合のように、しっかりと守備をしてきたチームに対しては点を取れないゲームもあるわけで、そういう中で、しっかりとした守備から、したたかに、効率よくゴールが奪えているのは、そういう流れも引き寄せているのかなと思いますね。また、ここへ来て、セットプレー、流れの中から、カウンターと、いろんな形から、いろんな選手が点を取っているというのも、チームにとっては大きいことだと思います」

Q:ボールを動かせているという感覚はありますか?
「試合の流れによっては、守備に追われる時間が長い時もありますし、対戦チームとの力関係であったり、相手のやり方とかによって、我々が支配する時間が長い試合もあります。例えば愛媛戦は、前半はボールを持つ時間が長かったですけれども、後半は、持たれる時間の方が長い試合でした。そんな中でも、押し込まれても、慌てずに、自信を持って自分たちのサッカーをして凌げるようになったというか、我慢できるようにはなっているし、自分たちが主導権を握っている時間帯は、しっかりと動かせるようには、少しずつなってきているとは思いますね。勝っていることで自信が付いてきたということもあるでしょうし、相手のやり方次第というか、相手がうちの勢いを警戒して重心が低くなり、その分、我々が高いポジションで回す時間帯が増えているというのもあると思います」

Q:そういう中で、対岐阜ということでは、どのようなイメージを持たれていますか?
「分からないですね、それはね、本当に。ラモスさんが、どういう戦術を取ってくるかということにもよると思いますし、ラモスさんの性格上、『守る』ということをホーム最終戦でやるのかどうかということもあります。本当に読めないところはありますよね。対福岡というところで、はたして、どのようなサッカーをしてくるのか。岐阜戦は、そういうところも含めての戦いになると思います。ラモスさんのことですから、攻めてくるのではないかと思いますけれどもね(笑)。もう残留も決まっているわけですから、最後の試合で、自分たちが目指しているサッカーを、どこまでやれるのかという感じで来るのかなとは思っていますけれども、それも蓋を開けてみないと分からないなと思います。ビデオを見る限り、チームには勢いがありますし、非常にアグレッシブだし、前の選手は頑張りますし、特にゴールに向かう姿勢という点では、外国籍選手も含めて、かなり強烈な選手がいますから、そこはケアしないといけないと思います。いずれにせよ、岐阜がどういう形で来ても、自分たちはしっかりと対応出来るようにはしておきたいなと思います」

Q:選手を見ていると、ここへ来ても落ち着いているというか、欲をかかないというか、そういう態度が非常に印象的です。
「今シーズン途中から自動昇格を目指そうということでやってきていますが、まだそこへ到達していないわけですから、昇格してから、みんなで喜びを分かち合えればいいなと思いますし、選手も、そう感じてくれていると思います。いまこういう状況の中で、「昇格だ、昇格だ」という形で盛り上がっていただけるのはありがたいことですが、最終的に結果を残さないと何もないわけで、最後まで気を引き締めてやりたいと思っています。全ては結果が出てからだと思っていますし、それを選手も強く感じてくれているとは思いますね」

Q:岐阜には、かなり多くのサポーターが足を運ぶようです。
「サポーターのみなさんは、ホーム最終戦では本当に素晴らしい雰囲気を作ってくれましたし、いつもアウェイの試合にも大勢の方が来てくださって、本当に感謝しています。今回も、岐阜まで来ていただけるサポーターには感謝したいですし、いい結果を残したいと思いますね。最終戦は他会場の試合も同時刻で行われますが、そこで今シーズンが終わるのか、それとも次に続くのか、どういう結末を迎えようが、それを自分たちの結果として受け入れるつもりです。最後は神のみぞ知るということだと思いますが、我々はいま、サッカーの神様が微笑んでくれることを信じて戦っているので、自動昇格を絶対に勝ちとると思って戦いたいと思います」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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