「football fukuoka」中倉一志

謹賀新年 -年の初めに思うこと-

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新年 明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。football fukuokaの運営に関して、みなさんに満足いただける情報を発信するという点において、決して十分ではなかったと思いますが、それでも、多くの読者のみなさまに支えられて、なんとか「football fukuoka」を運営することが出来ました。この場をお借りして、お礼申し上げます。ありがとうございました。

さて、昨年は、アビスパ福岡を取材する過程で、いろんなことを教えさせられました。その中で最も強く残っているのが、地元で活動をしているライター(ジャーナリストではありません)として何を伝えるべきかということでした。もちろん、今までも、その意識はあったつもりでしたが、改めて強く感じた1年になりました。

きっかけとなったのは、リーグ終盤や、J1昇格プレーオフの取材現場でした。個別にインタビュー等を行う場合以外は、取材は「囲み取材」という形で行われ、多くのメディアが共同で取材対象者を囲み、コメントを取っていきますが、その際、私の視点と、私以外の取材者の視点が異なることが多いことに気付いたからです。理由ははっきりしていました。監督が井原正巳監督であったということと、アビスパのJ1昇格がかかっていたことが重なり、福岡以外のメディアが取材現場に足を運ぶことが多くなったからでした。

それも当然のことでした。私を含めて、福岡のメディアにとっては、それぞれの立場に違いはあっても、アビスパは地元のクラブであるという共通認識があります。一方、本州からやってくるメディアには、アビスパが地元のクラブであるという視点はなく、アビスパをJ3も含めれば52あるJクラブの1チームという視点で見ているからです。

誤解を恐れないために付け加えれば、本州からやってくるメディアの取材方法や、発信する情報がおかしいと思っているわけではありません。サッカーは正解がないスポーツと言われるのと同じく、取材する側にも、それぞれの感じ方や、切り口、発信の仕方があり、取材対象者と真摯に向き合った上で発信する情報には、どれが正解というものはないと思っています。もっと言えば、地元だから気が付くこともあれば、地元ではないから気が付くこともあると思っています。

そんな現場を経験したことで、改めて、自分が何をしなければいけないのかを考える毎日が続いています。それぞれの人たちに、それぞれがやらなければいけないことがあるように、自分だからやらなければいけないことがあるのではないか。他の誰かと比べるのではなく、自分らしい情報発信の仕方があるのではないか。その答えを見つけることを今年のテーマにしたいと思っています。昨年は、ただ、ただ忙しく、何をしているのか分からなくなることも多い1年でしたが、自分の生活パターンも含めて、もう一度、自分の仕事を見つめ直していきたいと思っています。

そして、多くのみなさんに支えられていることの感謝の気持ちを忘れずに、毎日を過ごしたいと思っています。本年も、よろしくお願いします。

【中倉一志=文】
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