「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 YNC第6節・福岡-鳥栖】「目的のないポゼッションが問題」/フィッカデンティ監督(鳥栖)

2016Jリーグヤマザキナビスコカップ/Bグループ 第6節
日時:2016年5月25日(水)19:00
会場:レベルファイブスタジアム/14,465人
結果:アビスパ福岡1-1サガン鳥栖
得点:[鳥栖]豊田陽平(45分)、[福岡]平井将生(85分)

◎マッシモ・フィッカデンティ監督(鳥栖);
Q:試合を振り返って
「前半は、ほぼ予定通りに選手たちがプレーして、ほとんどのシーンで、こちらが試合を支配して、PKも獲得し、リードも奪い、いい形で進んでいたと思います。まず、ふたつに分けて話をしたいと思いますが、相手の同点ゴールについては、素晴らしいものだったということをお伝えしておきます。次に試合に関しては、こういう試合を、どのように運営して勝ち切るかというところができませんでした。今日の試合を、いろんな角度から選手たちに捉えさせたいということで、試合を終えてから話をしましたが、まず伝えたことは、相手が10人であろうと、9人であろうと、8人であろうと、最後までスコアが1-0のままであれば、相手には同点にするチャンスがあるということです。よく「生かしておく」という言い方をしますけれども、そういう状態を作ってしまっては絶対に駄目で、勝ち切るということを、もっと強く意識してやらなければいけません。また、数的有利の中でポゼッションはしていましたが、目的のないポゼッションになってしまっていて、ああいうやり方では、数的有利も生かせず、まったく勝つための戦い方ができていないということを選手には伝えました。そして、今日はダービーマッチでもありましたから、もっと、もっと気持ちを込めてやらなければいけなかったとも話しました。ファン、サポーターのみなさんは、ダービということで、いつも以上に気持ちを込めて応援してくれましたが、そういう気持ちに応えられなかったことは残念に思っています。その一方で、選手たちには、今日の結果が1-0で終われていようが、1-1になってしまおうが、今後につなげるという点で見た場合、結果に問題があるのではなく、今日のような状況の中で、後半、どのように戦っていくのかという時に、目的のないようなポゼッションをしたというところが問題なのであって、プレー内容について、もっとしっかりとやっていこうという話をしました」

Q:目的のないポゼッションというのは、今日、初めて見られた現象なのでしょうか?それとも、これまでも見られていた現象なのでしょうか?
「他の試合と比べてというよりは、今日の試合の中での課題として話しましたので、これまでも起きたことはありましたけれども、それらと比較してどうこうというわけではありません。11対10というところで、簡単にボールを回せるということに甘えてしまって、リスクを冒したくないというところから、チャレンジのないプレーになっていました。相手は、引いて守ってカウンターを狙っているだけなので、ボールを回せるのは当たり前で、それよりも、1-0のままで試合を進めることが非常にリスキーでしたから、フォワードを代えたり、いくつか手を打ってみたのですが、上手くいきませんでした。今日の試合は1-1で終わってしまいましたが、もし1-0で終わっていたとしても、課題として捉えなければいけないことがいっぱいありましたので、その部分をしっかりと冷静に見直して、次の試合につなげられるようにしたいと思います」

Q:今日の結果でナビスコカップのグループステージでの敗退が決まりました。そのことについて、監督はどのように捉えていらっしゃいますか?
「すでにナビスコカップのグループステージ突破は難しい状況にありましたから、今日の試合はグループリーグを突破するということよりも、1試合、1試合という単位で考えて、しっかりと戦うという意味で、今日の試合を大事にしていましたが、毎回、同じような記者会見になってしまっているように、今日も、そのうちのひとつになってしまいました。そういう中で、今日の試合の中にプラスの部分を見出すのならば、チームが自分たちのプレースタイルを求めて、ボールをつないで、形を作ろうとしてプレーしていたというところです。それは評価できるかなという想いはあります。リーグ戦は残り3分の2ありますので、そこにつなげる試合をするということを、今日の試合の一番の目的として考えていましたので、今日の結果には悔しさは残りますけれども、ただ結果だけにとらわれるのではなく、チームの状況を冷静に分析して、どこを向上させなければいけないのかということを冷静に見て、次につなげたいと思います」

Q:豊田選手が久しぶりのゴールを決めました。その点について、感想を聞かせてください。
「後半も、相手のキーパーの好セーブがなかったら、豊田のゴールが決まっていたかなというシーンもありましたし、PKも自分で獲得して、自分で決めてくれました。また、CKからオフサイドになってしまったゴールもありました。彼は、いつもフィニィッシュを狙っていますし、結果が出ない時でも、常に、そういう動きをしろと言っていますので、彼のプレーについては評価しています。先週のカップ戦は休ませましたが、彼は継続してプレーすることでリズムを作る選手なので、今日は休ませことは考えずに、しっかりプレーしてもらいましたので、次の試合につなげてくれると思います」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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