「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 J1-2nd第1節・福岡-浦和】「厳しい展開も意図した形で逆転できた」/ペトロヴィッチ監督(浦和)

2016明治安田生命J1リーグ 2ndステージ第1節
日時:2016年7月2日(土)19:05
会場:レベルファイブスタジアム/18,509人
結果:アビスパ福岡1-2浦和レッドダイヤモンズ
得点:[福岡]ウェリントン(23分)、[浦和]那須(43分)、興梠(64分)

◎ペトロヴィッチ監督(浦和);
Q:試合を振り返って
「まず、今日のゲームで、最後の力の一滴まで力を振り絞って戦ってくれた両チームの選手たちを称賛したいと思います。今日のゲームというのは、非常に気温の高い中、非常に湿度が高い中で行われたゲームということで、選手たちは決して簡単ではなかったと思います。そういう中で、素晴らしいプレーをした選手達を称賛したいと思います。

今日のゲームは、非常に相手はモチベーションが高く、強い気持ちで、我々浦和レッズから金星を挙げようという強い思いで臨んできたと思います。そういう中で、我々レッズは、前半の22分ぐらいだったと思いますけど、レッドカードをもらって1人退場してしまい、それに加えてPKを決められてしまって1点リードされるという厳しい展開の中で、試合を進めなければなりませんでした。ただ、我々は1人少ない状況でしたけれど、十分に得点できるチャンスを作れると思っていましたし、そういう中で、前半のうちに追いつくことができたのは良かったと思います。また、1人少ない状況ではありましたが、ボールを持って攻撃を仕掛けてくる福岡に対して、我々は、それほど大きな問題は抱えないと私自身は思っていました。唯一、我々が危ない状況を作られるとすれば、福岡には高さがありますので、長いボールを放り込まれてセカンドボールを拾われるという展開になった場合で、そうなると厳しいと思っていましたので、後半に入ってから、システムを2トップに変更しました。これは、ボールを奪ってから攻撃にいける布陣でもありますし、相手ボールの時には、比較的前からボールに行くことができるため、簡単にロングボールを蹴らせない、あるいは、ボールの出どころにプレッシャーをかけることができれば、ラインを下げ過ぎなくても済むという理由からでした。そして、我々が意図していたように、非常にいい形で得点をして逆転することができましたし、2トップという戦術が非常に機能した後半だったと思います。福岡は、我々に対して非常に強い気持ちで臨んできたと思いますけれども、我々だけではなく、ほかのチームに対しても、同じくらいの気持ちや戦い方をすれば、今後、いい結果が出せるのではないかと思います」

Q:第2ステージ初戦を勝ったことについて、どのように捉えていらっしゃいますか?
「仰る通り、今日は2ndステージの第1節ですけれども、それを勝利で終えられたというのは、非常に嬉しいことであります。ただ私は、この試合というのは第18節だというふうに捉えています。昨シーズン、我々は1stステージを優勝という結果で終えて、そして、それを称賛されましたが、チャンピオンシップでG大阪に負けたことによって、通算ではリーグ2位の成績で終わったにも拘わらず、シーズン3位のチームという評価に終わってしまいました。私は、こういったレギュレーションのリーグを、昨シーズン、初めて経験しましたが、昨シーズンから学んだことを言わせていただければ、最終的にチャンピオンシップで優勝することが、そのシーズンで最も強いチャンピオンという評価を受けるということです。だからこそ、我々にとっての2ndステージというものは、チャンピオンシップへの出場権を得るための戦いであり、そして、我々は最終的にチャンピオンシップで優勝することが大切なのであり、今後の戦いは、そのためのものであると考えています。ですから、我々は、とにかく目の前の相手、1試合、1試合を大切に戦い、勝点を積み上げていくことが重要であると考えています。

また、我々は、昨シーズンの1stステージは、無敗で勝点41を取って優勝し、そのことをメディアの方々から非常に称賛されましたが、ただ、日本人選手は、多くの称賛を得られ過ぎると、すぐに気が緩んでしまうということを、私自身は目の当たりにしてきました。特にサッカーという競技は、常に地に足を付けて、目の前の相手を倒していくということを、コンスタントにやっていかなければいけないスポーツであると思っています。1stステージ終了後、我々の選手はメディアに取り上げられて、インタビューに答える時間が非常に長かったと思いますが、その中で、どれだけの選手が気持ちを切り替えて、新たな想いを持って、サッカーの話をして、準備ができていたのかという疑問が残るところではありますけれども、サッカーというのは、浮かれてしまえば、簡単に足下を救われてしまうスポーツだということです」

広報担当
「ほかに質問はありませんか?なければ、これでペトロヴィッチ監督のインタビューを終了させていただきます」

ペトロヴィッチ監督
「そこで、城後の10番のレプリカユニフォームを着ている女性の方、何か質問はありませんか?城後はいい選手ですよ」

Q:先ほど、福岡はもっと良くなるというお話がありましたが、どのくらいの可能性があると思われますか?
「プロフェッショナルなサッカーの世界では、戦いというものを私は次のように捉えています。例えば、以前、新潟はG大阪であったり、川崎だったり、浦和と引き分けて、そのあと仙台に敗れましたが、残留を目指すチームというものは、残留を争うライバルチームに、自分たちのマックスをぶつけなければいけないということです。時として、浦和、G大鹿、鹿島との試合は、世間的にも非常に注目が集まる試合ですけれども、ライバルチームとの対戦は、その戦いと同じくらい大事な試合と言えるからです。もちろん、強豪チームから金星を挙げるというのは、世間からも大きな注目を浴びることになりますから、チームも、選手も、強い気持ちを持って臨むと思いますが、例えば、福岡が、今日、我々に勝利すれば大きな賞賛を得ることになるでしょうが、その次の試合で、残留争いのライバルチームに負けてしまったら、我々に対する勝利は何の意味もありません。福岡が現実的に置かれている状況は、いかにして残留するかということであり、それは私が言うまでもなく、みなさんがご存じだと思います。

さて、城後選手によろしくお伝えください。城後選手は、いろんなチームからオファーをもらっているようですけれども、彼は常に福岡に残ってプレーするという選択をし続けています。愛を持って福岡でプレーしていますので、みなさん、彼を応援してあげて下さい」

【武丸善章=取材/中倉一志=構成・写真】
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