「football fukuoka」中倉一志

【アビスパ’s Voice】「戦術的な部分もしっかりと整理して、勝ちにこだわって、少しでもチームの完成度を高めたい」/井原正巳

内容:トレーニングマッチ後の共同囲み取材
日時:2018年2月6日(火)
場所:シーガイア スクエア1

◎井原正巳監督;
Q:練習試合を振り返って
「前回のトレーニングマッチを栃木さん相手に敗戦したので、今日は勝ちにこだわろうという形で入りました。相手は力のあるマリノスさんでしたから、結果的に2本トータルで勝てたというのは自信になったと思います」

Q:この時期であっても、やはり勝利にこだわっているということでしょうか?
「そうですね。負けるよりは勝った方が、より次にはつながると思いますし、J1のチーム相手に勝ったわけですから、これをいい方向につなげていければと思います。今日はシステムやメンバー構成等も少しずつ変えながらの試合でしたが、その中で課題も収穫もあったので、そういう意味では、非常にいいゲームだったなと思います」

Q:1点目は相手のミスからでしたけれど、2点目はカウンターからのものでした。手応えはいかがですか?
「カウンターのところは常にトレーニングで準備していますし、マリノスさんがボールを支配して我々は守る時間が長かったですけれど、その中で奪ったボールを素早く攻めることができましたし、前の決めきる力というものを、しっかりと出してくれたのは非常にいい展開だったと思います。ああいう形がより多く出るようにしていければと思います」

Q:課題というとどんなところでしょうか?
「攻撃のところで、我々がボールを持っている時間というのは少なかったですね。もっとボールを大事にできるところがあったと思うし、どうしても簡単にボールを奪われているところと、相手が前から来た時に裏を狙うタイミングであったり、その辺りの判断がまだまだできていない場面がかなりあったので、そこは修正していかないといけないなと思います」

Q:そういったことを踏まえて、残りのキャンプも少なくなってきましたけれど、どのように取り組んでいかれるのでしょうか?
「岡山さんとのゲームが最終日に残っていて、そこでは2試合やる予定ですけれども、ほとんどの選手が90分やってもらうことになると思います。ゲーム体力を戻すというのも、このキャンプの目的であったので、そこをしっかりとやってもらうことと、チームとしてキャンプと、その前の福岡でのトレーニングでやって来たこと、戦術的な部分もしっかりと整理した中で、また勝ちにこだわって、少しでもチームの完成度を高められればと思います」

Q:今日は攻守に渡って狙いとする形が出るシーンが多かったように思いますが、その辺りはいかがですか?
「本当は45本×3本やるところを2本にしてもらったところもありますし、前回の栃木さん相手の敗戦も踏まえて、選手は非常に気持ちの入った、引き締まったゲームをしてくれたと思います。たまたま立ち上がりにうちが相手のミスから奪ってゴールしたというのも、ゲーム展開をいい形で進められた要因なのかなと思っています。けれども、まだまだ力の差はあるなと感じています。結果的には0-2で勝たせてもらいましたけれども、マリノスさんがボールを支配している状況で、今日は、強い相手に対する戦い方が、たまたまはまったところもありました。それでも、守備のところで我慢しながら、全員が集中してプレーすることはできたと思いますが、ただ、攻撃のところはまだまだです。さっきも言いましたが、イージーなボールロストが多かったことや、もっと判断を速くしてボールを大切にしなければいけないところで、マリノスさんのプレッシャーに奪われてしまったりというところは、もっと改善できると思います。マリノスさんが前から来てくれたり、ラインが浅い形の守備のチームだったので、我々の形が、ある程度出せた試合だったと思いますが、力関係が逆のチーム、前回の栃木さんなんかは、どちらかと言うと、そういう中でのゲーム展開で逆にやられているところもあるので、いろんなチームとやりながら、いろんなサッカースタイルに、順次、適応できるようにしたいと思います」

Q:石津選手のトップ下というのは、そうとういい形ができていたように思います。
「前の選手を生かせるし、そういうボールの出し手となれる選手ですし、もともと2トップの選手だったので、あの位置は慣れていると思います。サイドに置くと、どうしても下がってしまうので、そこで彼の良さを消してしまうよりも、真ん中で使った方が彼の良さが出るのかなというところですね。彼も前の選手が動き出してくれるので、やりやすい部分もあるのかなと思います。もっと出来ると思うし、周りとの連携も良くなっていくと思いますね。けれど、前線は競争で、まだトゥーリオもいますし、今日は森本が2本目というように競争は熾烈なので、まだ誰が先発かは分かりません。そういう意識を持って、引き続き、やってくれればと思います」

Q:後半はサイドから崩されて苦戦した印象がありますが、何か変えたところがあったのでしょうか?
「やはり、相手のシステム的に相手の2列目からの飛び出しに、後半はCB、SBの間を通されたり、4人が引き離されてラインを簡単に割られるシーンもあったので、そこは反省点でもあります。前半は(鈴木)惇とウォン、後半は、(山瀬)功治、(鈴木)惇のボランチでスタートしましたけれど、どの組み合わせがいいのかということでは、相手によって変えなければいけません。後半はシステムを変えたんですけれども、我々が一番弱い形は、ああやって間を取られることで、サイドを突破されながらも体を張って守っていましたけれども、あの形が我々のウィークでもあるので、システムを変えるか、人を代えるか、もう一度しっかりとリトリートするか、いろんなやり方があるのですが、今日は、試合の流れに関係なく、当初からのプラン通り、人を代えるところはあらかじめ予定していた通りにやっていたところもあるので、それで対応しきれなかったところは若干ありますね。それでも、最終的にはPKを防いで勝つことで、前向きにプラスになるので良かったかなと思います。宮崎キャンプではJ1相手に勝ったことがなかったので、それも良かったと思います」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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