「football fukuoka」中倉一志

【ニュース&レポート】雁の巣にあふれた選手の笑顔。新型コロナウイルスの拡大が収束に向かう中でトレーニングを再開

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、4月4日からチームとしての活動を休止していたアビスパ福岡は19日、約1か月半ぶりに雁の巣球技場で練習を再開。雁の巣球技場に選手たちの笑顔が溢れた。

政府による福岡県の緊急事態宣言が解かれたとはいえ、まだまだ完全に気を許すことのできない中で再開された自主トレには所属29名中27名が参加。6グループに分かれて、1時間に2グループずつが2つのコートを使用したほか、クラブハウスの使用禁止や、練習着、ドリンク、タオルなどの自己管理、クラブハウスの使用禁止など、感染対策に細心の注意を払って行われた。

それでも、久しぶりにピッチの上で行うトレーニングに選手の表情には笑顔が溢れた。「待ちに待った日だったので楽しい。最高ですね」と話したのは前寛之。石津大介も「自宅待機中はすごくうずうずしていたので、今日の自主トレは本当に楽しかった。シンプルにサッカーができる嬉しさを感じたし、みんなと久々に会えたので、すごくよかった」と、仲間とサッカーができる喜びを口にした。

今週はZOOMを利用しての自宅練習と並行してトレーニングを行い、来週から月~土のスケジュールでのトレーニングに移行する予定。なお、当面は自主トレの形で継続することになる。Jリーグの再開時期は依然として不透明だが、日本中が新型コロナウイルス拡散収束に向かって動き出した中、アビスパは「J1自動昇格」に向けて改めてスタートを切った。


【選手コメント】
◎前寛之選手;
「待ちに待った日だったので楽しいです。最高ですね。芝生でサッカーができる時間がやっとできたので、充実した日々を、これからまた送れるなという感じです。
自粛期間中は、人がいない時間を見つけて走っていたりはしていましたが、ボールを蹴るとか、芝生の上でボールを触ってのランニングとかはできなかったので、やはりいいですね。みんなも楽しそうにやっていたと思いますし、これからまた全体練習に入っていけると思うので、それも楽しみにしています。
こういう状況を経験したことで、自分の中に今までには感じられなかった感情が生まれたり、恵まれた環境があるということを再認識したことで、これまでとは違った取り組み方ができるようになると思いますし、本当にありがたみを感じています。そのありがたさを、少しずつ支えてくれている人たちに返していきたいと思います。
まだリーグの再開が決まらない中での調整の難しさはありますが、こうして自主トレを再開するまでの時期が一番難しい時期だったと思いますし、これからどんどんいい方向へ向かっていくと思うので、難しさというよりも、楽しさを感じながら調整していきたいです。
こんなに長い期間、ファン、サポーターのみなさんとの触れ合えなかったり、話をしなかったということは経験したことがないことなので、会って話をしたいという気持ちはもちろん、みなさんがスタンドから応援してくれる前でプレーしたいという想いは本当に強いです。また、Jリーグがない中で、サッカーを待ち遠しく思っているファン、サポーターのみなさんも多いと思いますし、その気持ちは僕たちも同じなので、リーグの再開を一緒に待ちたいと思います。これからの期間で成長して、J1昇格という目標に向けて頑張り、そして再開した時には、僕たちがピッチの上で躍動する姿であったり、喜び合う瞬間を、ファン、サポーターのみなさんと分かち合いたいと思います」


◎石津大介選手:
「幼稚園の時からずっとサッカーをしていて、こんなに長い間ボールを蹴らなかったことはなかったので、自宅待機中はすごくうずうずしていましたから、今日の雁の巣での自主トレは本当に楽しかったです。シンプルにサッカーができる嬉しさを感じましたし、みんなと久々に会えたので、すごくよかったです。
今まではいつもボールを蹴ることが普通でしたけれど、新型コロナウイルスによって、それが普通ではなかったんだということも感じられ、サッカーに対する考え方が変わった部分もあるので、それをピッチで表現できればと思います。
まだリーグの再開は決まっていませんが、チームとしての目標は明確に決まっているので、そこに向けてコンディションをしっかりと整えていきたいと思っています。何としてもJ1に昇格するために勝ち続けたいと思いますし、開幕戦で見せたゲーム以上のものを、たくさん見せていければと思っています」


◎鈴木淳選手;
「率直に気持ち良かったし、ボールを蹴ることができて嬉しいという気持ちが大きかったです。ピッチに立ってプレーできる喜びを感じることができましたし、一部の選手ですけれども、顔を見て、みんな元気そうだったので嬉しかったです。
今日、ピッチに立って、スパイクを履いて、そしてボールを蹴ることでサッカーをする喜びというものが感じられたし、仲間の顔を見て、またこのチームで大きなことを成し遂げたいという気持ちになりました。そして、これまで以上に感謝の気持ちをもってやらないといけないと思いましたし、僕たちは再開に向けて少しずつ進むことができていますけれども、まだ新型コロナウイルスに苦しんでいる方もいらっしゃいますし、まだまだ大変な状況が続いている職業の方もいらっしゃるので、自分たちは恵まれた環境にあるということを改めて考えながら、そうした人たちの想いも背負ってサッカーに取り組んでいきたいと思っています。
ただ、気持ちは前へ、前へとなっているんですけれども、思ったよりも身体の重さを感じていますし、この気候でもあるので、細心の注意を払いながら怪我をしないように気を付けていきたいですね」

[中倉一志=文/アビスパ福岡=写真提供]
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ