「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【選手コメント J2第41節 愛媛-福岡】「いつも通り相手に対する嫌なパスが少なかった」/有田光希/西岡大輝

2020明治安田生命J2リーグ 第41節
日時:2020年12月16日(水)19:03キックオフ
会場:ニンジニアスタジアム/1,395人
結果:愛媛FC 0-2 アビスパ福岡
得点:[福岡]山岸祐也(19分)、遠野大弥(45+1分)

◎有田光希選手(愛媛);
Q:前半は2点のビハインドでしたけれど、後半は流れは掴んだと思います。有田選手は途中からの出場でしたが、どのような狙いを持って入られましたか?
「前半、相手が2点リードということで、相手のシチュエーションを考えた時に、固くなるかなというのがありましたし、カウンター狙いで来ているなというのは後半の立ち上がりを見ても分かったので、押し込む時間帯というのは増えると思っていました。その中で何とか点が取れればと思っていましたが、いつも通り、相手に対する嫌なパスというのが少なかったかなと。もう少し増やせていけたのではないかと思います」

Q:2点ビハインドという状況が難しくさせたかなと思いますが、もっとやれたという部分があれば教えていただけますか?
「個人的には、クロスはもう少し欲しかったですし、ファールの後のリスタートのところで相手が上手く止められていなかったのに、それでもつないでいるというシーンが何回かあったので、そこは上げてほしかったなと今日の試合では思いました」

Q:ここ数試合、ビハインドを背負って、相手に固められて攻めあぐねるという状況があったように感じますが、今日もそこの部分が上手くすり合わせられなかった部分でしょうか?
「もちろん、やろうとしていることと、継続していることというのは、前提としてチームであるんですけれども、それにプラスして、個人、個人の選手の特徴というものがあると思うので、それぞれ出ている選手の中で判断ができれば、それがチームとしてのバリエーションにもなると思っています。誰が出ているからこういうボールというように、個人、個人の判断でやっていいのかなと思います」

Q:有田選手個人としては、前線で起点になりながら、身体を張って、フィジカルの部分でもかなり勝負していたかなという感じはありましたが、個人としてはいかがでしたか?
「相手がデカいし、シンプルなサッカーをしていましたから、そこで跳ね返されると相手の狙い通りになるので、キープできなかったとしても、何とか身体をぶつけて狙ったところに落とさせないというのは意識してやっていました。ただ、キープできたとしても、そこで後ろから前への推進力を持っていけたかと言ったら、チーム全体にそういう雰囲気はなかったですね。点を取ろうというはあったかもしれないですけれども、あれぐらいでは足りないなと中でやっていて思いました」

Q:有田選手にとっては、愛媛の選手としてホームで戦う最後の試合になりました。気持ちを聞かせてください。
「試合が始まったらそんな意識は全然なくて、目の前で昇格を決められるのは悔しいなと思っていましたし、一愛媛の選手として、そんな感情でした。終わってみたら、これで終わりかというさみしい気持ちもありましたけれども、カテゴリーが同じチームであれば、また、このスタジアムで戦う機会もあるので、その時に、今年取れなかった分、ゴールを取りたいなと思います」

◎西岡大輝選手(愛媛);
Q:結果は残念にものになりましたが、川井監督のやっていたサッカーの集大成を見せようという意図は感じられました。どのように試合を振り返っていますか?
「前半はみんないい入りをして、球際でも一歩早く行けていたし、すごく気持ちの入ったゲームだったと思います。ただ、やはり2位のチームと下位のチームのクオリティの差や、勝ち癖だったりの差、そういったものが積み重なった結果が0-2というスコアだったので、自分たちの力のなさを認めざるを得ない試合だったなと思います。けれども、今まで積み上げてきたサッカーというのは、自信を持ってみんなやっていました。もうひとつゴール前のところでというのはこれからだと思うんですけれども、それ以外の、自信を持ってみんながボールを受けたがるところは、この前のホームゲームでは、僕が『やれる選手、やれない選手の差がはっきりしている』と言ったと思いますが、今日に関しては、イメージの共有であったり、もう一つというところまで、みんながやれていました。結果がすべてなので何とも言えないですけれども、未来につながるゲームができたと思います」

Q:西岡選手にとっては、現役で迎えるホーム最後の試合になりました。その試合で、川井監督のサッカーの中枢を担うポジションで90分戦いました。今の率直な感想を聞かせてください。
「テンポを出したり、(小暮)大器君に振ったりして、距離を間延びさせることを意識してやっていたんですけれども、もっとくさびを通したりとか、ボランチのところにパスを入れたりだとか、そういったことができれば、もっと良かったかなと思います。けれども、自分がやれるプレーは精一杯やったので、結果は勝てなかったですけれども、その過程は、自分の中では満足しています」

Q:試合終盤は前残りして前線でプレーされる時間もありました。あの時の気持ちはいかがでしたか?
「何としても点を取りたかったですし、相手の圧力も後ろの組み立てのところにはプレスに来ていなかったので、相手の間、間を意識していました。1回、いけそうな感じがあったんですけれども、トラップをミスしてしまって全然FWじゃなかったですね。あれが(西岡)大志だったら可能性があったかもしれないです(笑)。でも、そういう気持ちというものは見せられたと思います」

Q:残念ながら敗れて福岡の昇格を目の当たりにしました。チームとしては避けたい部分だったのかなと思いますが、ただ、悔しいものを見る、悔しい想いをするというのも、個人だけではなく、チームの成長につながるのではないかと思います。
「去年はアウェイで横浜FCに昇格を決められたので、今年はニンスタで絶対に決めさせないという想いでいったんですけれども、先ほども言ったように、2位の勝ち癖というか、こっちのペースでやらされているような、向こうは別に焦っていないというような感じがしました。昨年の横浜FCの時と、今年の福岡の時と、同じような感じがしますね。勝ち方というか、2位のチームは前期よりも後期の方が明らかに質が上がっていたし、チームの方向性がバシッとはまっていたので、やっていてやりづらさというか、固いなという感覚がすごくあって、そこで結果としてニンスタで昇格を決められてしまいました。アウェイで決められるのと、ホームで決められるのとでは感情が違うし、そういった想いをみんな持っていたと思うので、未来に活かさないといけないなと思いますし、活かしてほしいです」

Q:試合後引退セレモニーがありました。おそらく個人の選手としては、今までで最も長いセレモニーだったと思いますが、しんみりした感じもなく、西岡選手らしい明るいセレモニーになりました。
「本当にやりづらくて(笑)。どうしようかなって思っていたんですけれども、想いのままに手紙に書いた方がいいかと昨日思ったので。いじったりもしましたけれど、誰も気づ付けてないですよね(笑)。ワーッという感じで笑いが起こりましたが、文章で笑いを取れるっていうのはサンドイッチマンくらいしかいないと思うので、手紙で笑いを取れるっていうのはすごいですよ、自分で言うのもなんですけれど(笑)。でも、想いは伝えられたので良かったです。ただ、引退するとあっけないなというのはありますね。『あっ、終わった』という感じです。あと1試合ありますけれども、ニンスタでの最後だったので、結構高ぶりました」

Q:昨日の練習の時に、自分たちの意義を示したいとおっしゃっていました。今日の試合で意義を示せたとお考えでしょうか?
「プロである以上、結果を求められますけれども、それ以前に、戦う姿勢であったり、球際で熱く行くだったり、それを見せるというのが大前提としてあると思うので、そういう意味では、今日はみんながそれを出せていました。ロッカールームでキャプテンマークを渡してもらったので、『勇気と自信』という言葉を、ひたすら言いまくったんですけれども、やはり自信だったり、勇気だったり、その強い気持ちというのが前半の立ち上がりで一歩先に出るというか、そういうことにつながったと思っています。やはり気持ちで何とでもなるというか、早く走れだとか、そういうことを言っているわけではなくて、気持ちを出せば、それがどんどん伝染していって、すごく大きなものになると僕は思っていて、そういった意味では、結果は出なかったですけれども、そういうは気持ちというのは出せたのではないかと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]
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