「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 J1第17節 大分-福岡】「福岡戦は何としても勝ちたい、勝利したいという想いがあった」/片野坂知宏

2021明治安田生命J1リーグ 第17節
日時:2021年5月30日(日)15:03キックオフ
会場:昭和電工ドーム/5,793人
結果:大分トリニータ 2-1 アビスパ福岡
得点:[大分]長沢駿(7分)、エンリケ トレヴィザン(70分)、[福岡]ジョルディ クルークス(77分)

片野坂知宏監督(大分);
Q:試合を振り返って
「連戦のホーム2試合目で、前節はマリノス戦で悔しい敗戦をし、なかなか結果が出ていない中で、今日の九州ダービー、福岡戦を迎えました。本来なら、九州ダービーということでたくさんのサポーターに入っていただき、アウェイのアビスパ福岡さんのサポーターも入っていただく中でのダービーを戦いたかったのですけれども、福岡に緊急事態宣言が発出されているということでサポーターが入ることができず、盛り上がりのところでは、我々にとってはホームで優位に進めることができたと思いますけれども、九州ダービーというところでは、福岡のサポーターの方々も楽しみにされていたと思いますし、入れなかったことに関しては、残念だと感じています。
そういう中で今日のゲームを迎えて、今シーズン、大変、調子のいい福岡さんに対し、我々はなかなか勝点3が取れていない状況で、同じ九州のチーム同士での明暗が分かれている状況、我々にとっては非常にチャレンジのゲームになりました。福岡さんがどういう形で準備されてくるのかというところで、ある程度、守備、攻撃というところでは、福岡さんに対して準備してきたものを、選手は集中して、切らさずに戦ってくれたと思います。やはり前半早い時間で得点を挙げることができたことが非常に大きかったと思います。ただ、福岡さんは、ベンチメンバーを含めて、外国籍選手も含めて、非常にパワーのある選手、そして質の高い選手がいるということで、1点では勝ちきれないんじゃないかという中で、後半も追加点というところを大事に取りにいこうと、引いて構えて1点を守るというよりは、追加点を取って、2点目を取って、しっかりと勝点3を引き寄せる、そのような戦いをしようということで、後半は送り出しました。
福岡さんがビハインドというところで、我々に圧力をかけて、なかなか攻撃がうまくいかない中で、CKからの得点ということで、セットプレーから課題としていた得点が入り、この2点目というのは非常に大きかった、我々に勇気を与えてくれた得点になったと思います。できれば2-0で試合を終えられれば良かったんですけれども、少しサイドの対応が後手になった中、PKというところで失点してしまいましたが、何とか全員で相手のパワープレーを凌ぎ切ったことで大きな勝点3につながったと思います。
我々が目指しているサッカーというところで、なかなか上手くいかないところもあったんですけれど、今の我々の状況では、現実的に戦い、そして勝点3を泥臭くても、何が何でも取るという、そういう姿勢を選手が示してくれましたし、そういう状況の中でも勝点3が取れたというのは、非常に大きかったのではないかと思います。やはりハードワークすることと球際を戦うこと、そして泥臭くてもマイボールにする、走り切る、バトルを制する、そういったベーシックな部分というのは非常に大事だなと感じています。
残念ながら中断期間に入り、リーグ戦はここで一旦、間が空きますが、ここまで選手は連戦だったり、本当にタフな戦いをしてくれていたので、まずはしっかりとコンディションを回復し、そして中断期間というのを、もう一度自分たちが、攻撃、守備、どういうふうに今後のリーグ戦に向けて戦っていくか、そして一人ひとりがどういう姿勢でゲームを迎えて、ゲームの中でやっていくか、そして質の部分、戦術の部分というところを、もう一度合わせてできるような形でやっていきたいと思います。本当に今日出た選手だけではなく、出ていない選手を含めて、全員でこのリーグ戦を乗り切っていかないといけないと思うので、底上げを含めた中で、また一体感を持って立ち向かっていきたいと思います」

Q:後半、苦しい中で2点目をエンリケ選手が奪いました。チームとしても勢いを取り戻す得点になったと思います。その得点とエンリケ選手の評価についてお願いします。
「エンリケもだいぶ戦術の理解、そしてチームメイトのプレースタイル、我々がどういうふうに戦うかというところもすごく理解がある中で、そのタスクをしっかりとやってくれています。今日の福岡戦に関しては、前線にメンデス選手、フアンマ選手と、非常に個の強い、大きい選手、パワーのある選手がいるので、そこはエンリケの良さが出るゲームになるのではないかという中で起用して、その起用に応えてくれる活躍をしてくれたと思います。まず守備の面で非常に効いていたところがあります。そういう中でCKからの得点を挙げてチームを助けることをしてくれました。セットプレーはトレーニングで積み上げてきている中で、今、長沢、そして坂、羽田もいますけれども、高い選手、大きい選手が今シーズンは多く入ってくれて、そういう中でセットプレーというものも一つの武器になるというところで、キッカー含めて、トレーニングでも狙いを合わせてやってくれて、得点という具体的なところもやってくれたのは、やはりエンリケの良さですし、長沢がいいところに入ってつってくれて、最後はこぼれ球を押し込んだんですけれども、その狙いもトレーニングでやってきた通りの部分が出て、非常に大きい貢献をしてくれました。今後も、そういうセットプレーや守備の面を含めて、エンリケがチームにフィットしてくれば、非常に大きな戦力になってくれるという期待もしていますし、今後のチームの戦いの中でチャレンジしてほしいなと思います」

Q:チームとして九州ダービーに勝ったというのは非常に大きいと思いますが、監督自身にとっても、この勝利は大きいかなと思います。その辺りで感じている部分、この勝利に対する想いということについてお聞かせください。
「やはりホームで勝つことはすごく重要です。前節のマリノス戦ではホームで負けましたし、アウェイで降格争いをしているベガルタさんにも勝点3を与えてしまったり、非常に悔しい敗戦をしている中で、今日の福岡戦は何としても勝ちたい、勝利したいという想いがありました。その中で本当に選手が最後まで切らさずにパワーを出してやってくれましたし、粘り強く戦ってくれたからこそ勝てたと思いますし、そういう姿勢を今後も貫いていってほしいと思います。勝点3というのは非常に大きいし、勇気を与えてくれるし、また今後の戦いにも、今日の戦いがベースとなった中で、もっともっとできることもあると思うので、そういう修正をしながら、何とかこのリーグを戦っていかないといけないなと感じています」

Q:福岡は非常に調子も良くて、個々も能力の高い選手が揃っていると思いますが、今日の戦い方の中では、福岡の選手たちの特長を上手く出させないようにしていたように見えました。その鍵となったところを教えていただける範囲でお願いします。
「福岡さんは、今シーズン非常に勝点を積み上げている調子のいいチームで、外国籍選手を含めてタレントのいるチームですし、戦う中で難しさというのはありました。見ている中では、攻守の狙いというところでは非常にしっかりとオーガナイズされていますが、長谷部監督が狙いとしてやりたいことというのは、ある程度、分析している中で、想定内の戦いができたと思います。3日間の準備期間しかなかったのですが、そういう中でも、選手とミーティングで擦り合わせたり、トレーニングで、ある程度、合わせながらやれたことが、実際にプレーしている中で、そういう現象が起こったり、そういうふうに管理できたことが、相手の特長を消していることになるのか、つながるか分からないんですけれども、ある程度、対応できました。そして攻撃のところでも、マリノス戦でなかなか攻撃ができなかったところを、今日の福岡戦では得点を取らないといけない中で、しっかりとボールを持つ、そのボールを持つサイクルというところを準備してきた中で、選手がその狙いの中でやってくれたので、上手く戦えたのではないかな、勝点3につながったのではないかなというのは感じています」

Q:次第に連携が高まってきて、今季のチーム仕様みたいなものが少しずつ見えてきてはいると思いますが、まだ降格圏にいることに変わりはありません。この中断期間も含めて、これからの巻き返しのプランというのは、もう監督の中に見えていらっしゃいますか?
「巻き返さなければいけないんですけれど、戦力は、怪我人を出さない、コンディションを万全にする、とにかくJ1でもいろんな戦いをしてくるチームがあるので、そのオプションを増やしたりということです。今日も交代枠は3枚しか使っていないと思うんですけど、結局3枚しか使えないというところを選手には分かってほしいなと。そういう中でも試合に出て、パワーを出してくれたりとか、戦力になってくれたりとか、今日のゲームも、2-1になったところを3-1にするとか、しっかりと0で守り切るとか、そういった交代で出る戦力を厚くするというか、底上げをするということがすごく大事だと思います。なぜかというと、怪我人が出たり、コロナがまた今後どういうふうになるか分からなかったり、対戦相手の分析の中でいろんなオプションを使うというところで大事になると思うからです。そういった準備を、この期間、そして今後というところでも、しっかりと選手と準備していけるようにしたいと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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