「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【選手コメント J1第23節 福岡-広島】「連敗を止めたからこそ引き締めないといけない」/奈良竜樹/前寛之

2021明治安田生命J1リーグ 第23節
2021年8月9日(月・祝)19:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/5,182人
結果:アビスパ福岡 1-1 サンフレッチェ広島
得点:[広島]ジュニオール サントス(67分)、[福岡]前寛之(90+7分)

◎奈良竜樹選手(福岡);
Q:1失点はしましたけれども、アビスパらしい粘り強い守備が今日の勝点1の大きな要因になったのではないかと思います。どのように試合を振り返っていらっしゃいますか?
「まず試合が始まる前に、チームとして良かった時の映像であったり、良かった時にどういうことができていたかということをもう一度再確認して、そういったところはみんな意識してやれていたと思いますし、後ろでやっていても、前の選手の守備の頑張りにすごく助けられたというか、こういう感じだったなというのはありました。ただ、90分の中で、なんか簡単にやられる場面が多いというか、いい時のプレーをみんなができていて、福岡のサッカーというものは表現できているんだけれども、なんかそういう一瞬のゆるみであったり、そういうものが出るというのはすごく気になっていて、どう表現したらいいか分からないというか、まだ自分の中で整理できていないと感じています」

Q:まだまだやらないといけないこと、取り戻さなければいけないことがあるというふうに感じていらっしゃるということでしょうか?
「ベースの部分というものは、しっかりチームとして確認できて、こういうふうなものだったなというのは、多分、チームとしても、個人としても、そういった体感があると思います。もちろん、まだまだやらなければいけないことがあるというのは、どのチームもそうですけれど、ちょっと今日の試合を自分の中で上手く言語化できない不思議な感覚です」

Q:こういう世界ですから、とにかく結果を持って帰るということもすごく大事だと思います。連敗している状況の中で、勝点1を掴み取ったという結果は、これからの戦いに向けて大きな一歩になるのではないかとも思います。
「もちろん、最後に追いつけたというのは、連敗の流れを止めたという意味でも、すごく大事な勝点1だと思います。ただ、僕たちは続けていかないといけないので、この勝点1がどういう影響をチームに与えるのかというのは、今後を見てみないとまったく自分の中では分からないというか、変にほっとするのがすごく怖いというか、『連敗を止めたから良かったね』ではないと思っています。連敗を止めたからこそ、この先がまたちょっと怖いというか、もう一度引き締めていかないといけないと感じています」

前寛之選手(福岡);
Q:まず同点ゴールのシーンを振り返っていただけますか?
「1人退場してからビハインドになって、何とか追いついて、勝ち越しを狙いにいくということで、あの時間帯になってしまいましたけれども、同点弾を狙いにいくためにみんながゴールに向かうような形から押し込んで、ジョルディから横パスが入って、狙える距離でもありましたし、思い切って足を振りました」

Q:1点のビハインドになって、10人になって、非常に難しい展開だったと思いますが、むしろVARで広島の2点目が認められなかった後は、アビスパの勢いの方が勝っていたように感じました。あの辺りはピッチの中では、どのような感じだったのでしょうか?
「1人少ないということもありましたし、FWが1人だったので、中盤の選手が追い越す、SBの選手が追い越す、後ろの選手は前に配給するという役割がはっきりしたと思いますし、どうしても同点にしたいという気持ちがみんな強かったので、そういったものが自分たちが前に圧力をかけられた要因だったのかなと思います」

Q:追いついたこともクローズアップされていますが、前半戦に勝ちを重ねていた時のようなアビスパらしい戦い方というか、粘り強い守備、全員でボールにアタックする、そういう良さが戻ってきたことが追いついた要因の一つかとも思います。
「5連敗して中断期間に入って、自分たちを見つめ直す時間にもなりましたし、下も近づき、上も見えるという立ち位置にいながら、これまで以上にやらなければいけないというところを、選手、チームで再認識して今日の試合に挑めました。この試合の強度であったり、同点にいくまでのアビスパらしい戦い方というのは、そういうところからつながっていたのかなと思います」

Q:チームとしては劇的な同点で少しほっとしたということもあったと思いますが、試合後のみなさんの受け止め方、雰囲気というのは、どのような感じだったでしょうか?
「展開が展開だったので、最後のところで追いついたというところで、嬉しさだったり、何とか追いつけたというような雰囲気でした。ただ、久々の試合で勝ちたかったという想いはあるので、みんな次に向かっていくというような気持だったと思います」

Q:長谷部監督は、こういう劇的な形からチームが右肩上がりになることはこれまでもあったとおっしゃっていました。そういう点では、前選手はどのように感じていらっしゃいますか?
「とりあえず結果が引き分けということで、連敗を止めたということはポジティブなものだと思います。また上に上がっていくために大事な引き分けだったというところで、調子が上に向かっていけば、この試合から変わったと言えるようになると思うので、それを実現できるようにやっていきたいと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ