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「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【武丸の目】4連勝ならず悔しいドロー。ラストワンプレーの失点を引き起こした試合全体の二つの“違和感”

2021明治安田生命J1リーグ 第29節
2021年9月18日(日)18:03キックオフ
会場:レモンガススタジアム平塚/4,220人
結果:湘南ベルマーレ 1-1 アビスパ福岡
得点:[福岡]フアンマ(30分)、[湘南]大橋祐紀(90’+7)

【ネーム】
トータルスコアは1-1。30分にフアンマのPKによるゴールで先制したものの、後半アディショナルタイム、まさにラストプレーで追いつかれる展開。勝点「3」が「1」になってしまった。どうしてもその印象が強くなる悔しいゲーム。ただ、冷静に試合全体を通して振り返ってみると、「ゲームコントロール」という観点で、いつものアビスパから比較すると筆者の中で二つの“違和感”を感じた。

一つ目の違和感は連動した守備が上手く機能しなかったこと。アビスパの4-4-2のシステムに対し、湘南は3-1-4-2。システム上にズレが生じる「嚙み合わない」組み合わせだ。そこで球際の激しさでセカンドボールを回収し、ボールポゼッションを高める湘南は、アビスパのプレスの網にかからないようなポジショニングを取り、そこから明確な約束事を基に起点を作って、長短のパスを織り交ぜながら攻撃を組み立てる。存分にその優位性を生かしていた。

最後の局面でグローリと宮大樹の両CBを中心に全員が身体を張り、GK村上昌謙はビックセーブを見せて多くの決定機を凌いでいたが、「ボールを持たせる」というよりも「ボールを持たれる」状態となり、「良い守備」からゲームの主導権を握り、相手をコントロールするアビスパらしさがあまり発揮されず。体力の消耗は激しくなっていた。

ただ、そんな自分たちらしさが出せない中でも1点リードを奪った。湘南がウェリントンという大砲をゲームの終盤にジョーカー的に持ち出し、パワープレーを仕掛けてくる中で、アビスパは81分に長身DFのグティエレスを投入。必勝パターンの5バックで逃げ切るプランを長谷部監督はチョイスしたが、そこでのプレーぶりがいつもと違った。

これが二つ目の違和感。当然、相手はリスク承知で前への圧力を強めてくる。ロングボールも多用する。それを受けるのはやむを得ないし、跳ね返すのもやむを得ない。しかし、いつもよりも5-4-1の全体の守備ブロックが下がりすぎていたように感じるし、ライン間も広かったように感じる。そのため、相手の攻撃を跳ね返してもセカンドボールを拾えない。敵陣にボールを運び、プレーすることができずに二次攻撃を受けてしまう。明らかに悪い循環に陥っていた。

象徴的なのは後半アディショナルタイム。提示された6分という時間の中でアビスパの選手がボールに触れたのはわずか数回。敵陣できちんとマイボールした中でのプレーは0だった。これまでのアビスパであればそんな状況でも少なくとも1回は、敵陣にボールを運ぶ。キープして苦しい時間帯でも落ち着く、ゲームをコントロールする時間が少しでもあったはずだ。ただ、この試合ではその時間が取れなかった。

これは結果論かもしれない。ただ、前述で述べた前半から連動した守備が上手く機能しなかったことで、走らされたことによる蓄積されたアビスパの疲労や終盤のプレーぶり、そして、湘南のJ1残留をかける執念など90分を通しての様々な要素がラストプレーの失点シーンには凝縮されていたように感じる。だからこそ、あのプレーだけが悪かったと切り取って論ずることはできないと思う。

当然、悔しさは残るが、それでも負けなかった。アウェイで勝点1を取れたことをポジティブに捉えたい。これまでもそうだったようにこの悔しさをチームとして必ず自分たちの成長への糧にするのが今のアビスパ。決してこの試合を無駄にはしないはずだ。

[武丸善章=文/中倉一志=写真]

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