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「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】順調に進む宮崎キャンプ。仕上がりの早さと質の高さが窺えた2日目のトレーニング:【ニュース&レポート】

「非常にいい流れになっている」。24日、リモートによる取材に応えた長谷部茂利監督は、ここまでのトレーニングに対する手応えを口にした。
この日はキャンプでは最初となる戦術トレーニングを実施。その強度と質の高さは、その言葉に十分にうなずけるものだった。

前線のプレスから始まる連動した守備と、奪ってから攻守を素早く切り替えて繰り出されるショートカウンターの切れ味は、この時期としては予想以上。「チーム戦術のところはベースとして去年から引き続きあるので非常にスムーズにいっている」と宮大樹も口にする。長谷部監督は今シーズンのテーマの一つに「継続」を挙げるが、昨シーズンの主力選手の大半が残るチームは、いわゆる「積み重ね」の効果が十分に感じられる。

新加入選手と既存の選手たちとの融合も順調に進んでいる。ルキアンはプレスのスイッチ役としての役割を果たすとともに、スピード、フィニィッシュの精度など攻撃面でも持ち味を発揮。田中達也は随所にスピードを活かした突破を見せてカウンターに切れ味を加えている。また、サロモンソンが抜けた右SBのポジションを湯澤聖人と争うことになる前嶋洋太は高い足下の技術を披露しながら違和感なくプレー。戦術理解度を高め、自身の特長とすり合わせることが必要と口にしながらも「ミーティングで細かく説明してくれるので頭の中は整理できている。ピッチの中での一瞬、一瞬の判断があるので、そこは練習試合を通してやっていきたい」とコメント。一定の手応えは得ているようだ。

既存選手のコンディションもかなり上がってきている。目を引くのは2年目を迎えるジョルディ クルークス。昨シーズンは新型コロナウイルスの影響で合流が大幅に遅れたが、今シーズンは早い時期に合流。雁の巣で行われていたトレーニングから参加しており、コンディションの良さが窺える。また怪我の影響が心配された山岸祐也も全体練習に参加。接触プレーには気を遣っているようだが開幕には十分間に合いそうだ。

その中でもコンディションの良さが際立っているのが前寛之だ。6対6で行われたゲーム形式のトレーニングでは攻守の切り替えの場面で他の選手とはまったく異なるスピードを見せた。「オフシーズンにそれなりに作ってきたものがあるので、十分、今の状態で言えば良い感じに身体の方も仕上がっている」と話す通り、これまで以上に高いモチベーションで臨んでいるようだ。

それも今シーズンにかける特別な想いがあるからだろう。今年で3年連続でキャプテンを引き受けることになったが、その理由の一つとして「今年も8位以上を目指すというクラブの目標がある中で、個人にとっても、クラブにとっても、今年も大きなチャレンジに変わりはなく、そのチャレンジの先頭に立って、そういったものを成し遂げていきたい」とコメント。また初めて個人目標として5得点という数値を挙げたことについても「数字を残せるからこそ評価される世界でもあるので、今まで少し曖昧にしていた部分を数字として出すことを、しっかりと目標をこういうところで話すということも含めて、自分自身の中で決めた」と話し、さらに大きく飛躍したいという想いは強い。

この時期は、それぞれのコンディションにはまだ差があるが、それでもトータルで見れば例年以上に早く出来上がっている印象は強い。キャンプ3日目となる25日から2月1日までの8日間はメディアも含めて完全非公開に設定されており、おそらく練習試合が数試合組まれているものと思われるが、開幕が1週間早まっていることと合わせて、早めに仕上げているのだろう。

チームが出来上がっていく姿が見られないことに関しては、メディアにも、ファン、サポーターにもいろいろと意見はあるだろうし、私自身も考えるところはあるが、完全非公開もチームの意図があってのこと。情報が入ってこないのは悩みの種だが、それ以上に、地元のチームが公式戦で活躍してくれることの方が重要性は高い。2月2日にメディア向けに公開されるトレーニングで、アビスパがどのような姿になっているのかを楽しみに待ちたい。

[中倉一志=取材・文・写真]

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