「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【選手コメント 天皇杯2回戦 福岡-沖縄SV】「今年こそはという想いでやってきた」/北島祐二/井上聖也

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 2回戦
2022年6月1日(水)19:00キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/1,459人
結果:アビスパ福岡 3-0 沖縄SV

◎北島祐二選手(福岡);
Q:ゴールシーンを振り返っていただけますか?
「嬉しいの一言です。僕が左サイドを突破して中にカットインした時に、金森選手が相手のDFの裏に走っているのが見えたので、シュートを打ってほしくてパスを出したんですが、シュートを打てずにガチャガチャとなったところで折り返しのバスが戻ってきました。ゴールが空いていてGKが前に出ていたのも分かっていましたし、DFが戻っているのも見えて下のシュートコースがなかったので、上だったら入るかなと思って打ちました。それが狙い通りに相手の触れない高さでゴールに入ったので、狙い通りのゴールでした。嬉しかったです」

Q:左サイドをトリッキーな形で突破しましたが、ゴールシーンはもちろん、ああいう突破の部分も持ち味として出せたというところでしょうか?
「ドリブルで相手を剥がすというのは僕の得意なプレーですし、そこからの中とのコンビネーションやシュートを打つというところは毎日練習しているので、その形がやっとゴールという形になって表れてくれたのかなと思います」

Q:初ゴールまでは長かったですか?
「本当に長かったですね。1年目の序盤は、結構、試合に絡むことができていて、そこで僕自身も絶対にゴールが取りたいと思っていたんですけれども、そこからチャンスを掴み取れずにここまで来て、本当に今年決めないと自分の気持ち的にも落ちてしまいかねない、そんな勝負の年になることは分かっていました。毎年、毎年が勝負ですけれども、今年こそはという想いでここまでやってきたので、やっと決めることができて嬉しかったです」

Q:ゴール裏に行くというのは決めていたのですか?
「なんとなくイメージはしていましたけれども、決まった瞬間というのは、どうしたらいいのか分からないというのがありましたね(笑)。高校生の時以来の久しぶりのゴールだったので、喜び方をちょっと忘れていました」

Q:サポーターのみなさんの反応はいかがでしたか?喜んでいらっしゃったのではないですか?
「そうですね。自分がゴール裏に走っていった時に、いろんな方の喜んでいる姿や嬉しそうな表情が見えたので、やっとサポーターのみなさんに僕のゴールを見せることができてほっとしました」

Q:ゴールシーン以外でもいいプレーが多く、ゴールにつながってもおかしくないようなパスも多かったと思います。そういった意味で、今日のご自身のパフォーマンスはどのように振り返っていますか?
「クロスだったり、セットプレーでのキックは今日はほとんど合っていたと思いますし、味方のフィーリングが合えば入るときは入ると思うので、点につながらなかったということを気にするのではなく、今の合わせられているフィーリングを継続できるようにやっていきたいなと思います」

Q:東家選手のゴールも起点は北島選手のサイドチェンジでした。ゲームメイクは苦手ではないとおっしゃっていましたが、ボールを展開するというところでも感触は良かったのではないでしょうか?
「ボールが来る前に顔を上げて、ドリブルするときも顔を上げて、周りをながらプレーできているというのが展開やゲームを作ることにつながっていると思います。今日であれば、FWのルキアンは裏に抜けるのが得意なのでボールを背後に蹴られる位置に置いてドリブルするというのは意識していました」

Q:J1の相手ではありませんでしたが、ある程度、今日のご自身のプレーには満足できたというところでしょうか?
「でもやってはいけないゴール前でのミスありましたし、細かなミスもあったので、そこは本当に直していかないとJ1では通用しませんし、そのワンプレーでチームが負けてしまうということもあるので、そういった気の緩みから来る隙をなくさないといけないと思います。70点くらいの出来なのかなと思います」

Q:リーグ戦は試合数が限られていますけれども、トーナメント戦ですから勝ったことで試合数が増えて、それは自分のチャンスが増えるということでもあると思います。
「今日出ているメンバーもそうですし、なかなか試合に絡めていない選手たちは、できるだけ試合数を増やして、できるだけチャンスを増やそうという高いモチベーションでやっているので、みんなのモチベーションが今日の結果になったと思います。また増えた試合で活躍できるように、毎日の練習で積み重ねていきたいなと思います」

◎井上聖也選手(福岡);
Q:下のカテゴリーのチームとの対戦でしたけれども無失点勝利。どのように振り返っていらっしゃいますか?
「個人的なことがチームに全体に響いてくるというか、前半に僕のところにCKでチャンスがあって、前半の途中くらいにもフリーキックからチャンスがあって、その2本を決めきれなかったというのが個人として良くなかったところですけれども、それがチームに悪い流れをもたらしてしまったので、そこは自分の中で大きく責任を感じています。そこで2本が入っていれば前半の20分くらいに2-0という形になって、相手はボールを回すのがうまいチームですけれども、相手のボール回しに悲観的にならずにいられたと思いますし、ちょっとした焦りを感じてしまったり、相手にちょっとした余裕を与えてしまったので、自分的にはその2つの場面が気になりますね。チームが楽にできるような、今日のところは得点ということになりますが、それができていれば良い流れで試合を運べていたのではないかと思っています」

Q:外から見ている限りでは、特に何もしていないけれども、相手にも何もさせていなかったので、力の差を考えれば、そういう進め方もあるのかなと思っていました。ピッチの中ではどうだったのですか?
「やはり先制点が大事だと思っていますし、カップ戦という中で、無得点で時間が経てば経つほど自分たちが苦しくなってしまう、相手はその時間を長くして少しでも隙を出させたいというのが狙いだと思うので、そういうところで、焦るということではなかったですけれども、先制点が欲しかったですね。チームとしては金森君が決めてくれたので楽になったと思いますけれども、1-0は安全圏ではないですし、まずは2-0にしておいて、そこで金森君のゴールが入って3-0にしておけば理想的だったと思います」

Q:後半は相手にゴール前まで持ってこられるシーンがあって、ちょっと危ないシーンもありましたけれども、あの辺りはいかがでしたか?
「自分たちのミスであったり、ポジショニングの配置のミスのところだったので、修正しなければいけないというのもありましたし、試合中に修正できなかったというのが良くないところで、それがいくつか続いて流れが悪くなってしまいました。そこはチームとしてもミーティングあったり、個人で話し合って直していかなければいけないし、相手に隙を与えてしまってはいけないというふうに感じています」

Q:少し真ん中にポンとボールを付けられるシーンが目立つような印象があります。
「リーグ戦のメンバーは違いますし、リーグに出られているというのは、やれることが多いからであって、強度が高さやポジショニングが正確さがあるからです。けれど、そこをもっと動かせるようなCBにならないといけないですし、一つ前を動かせなかったら前線を動かせるわけはないし、そこはもっともっと厳しく伝えたり、できたところは褒めるというようなことができればなと思います。特に森山は若いですし、僕よりも年下ですし、もっともっと彼がやりやすくなるようにプレーしていければなと思います」

Q:勝つことによって試合が増え、そのことによって選手にもチャンスが増える、チームにもチャンスが増えるというところで、まずは勝ち上がったというのは大事だったと思います。
「そうですね。勝ったというのは一つ大きな収穫だったと思いますし、何より結果的には3点取れていますし、初ゴールの選手もいましたから、チームとしては及第点だと思います。けれども、もっともっと良くなれるところはありますし、そこを突き詰めてできたらなと思っています」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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