西部謙司 フットボール・ラボ

【Jクラブ戦術フォーカス/名古屋グランパス】正反対のスタイルに変貌したフィッカデンティの名古屋。まだまだ発展途上の攻撃と守備でこれから突き詰めていくポイントとは?

フィッカデンティ監督が就任して風間監督時代とは対照的な一面を見せた名古屋。何が大きく変わったのか? そして急激な変化は何をもたらしたのか? 新生グランパスの変化と可能性を読み解いていく。

奪った後にパスのターゲットを見つけにくいシステムだが… 

マッシモ・フィッカデンティ新監督を迎えた名古屋グランパスのリスタートは1-1のドローでした(第27節サンフレッチェ広島戦)。CKから先制されますが、前田直輝のゴールで1-1。後半はスコアレスで引き分けです。

4-3-2-1でしたね。前半のポゼッション39%は前監督時代とは対照的で、監督の考え方の違いが端的に表れています。基本フォーメーションはこんな感じ。(図1)

広島戦の守備のタスクを簡単に整理しておきます。

①ハーフウェイラインあたりに第一列を置くリトリート

②シャビエル、前田はボランチをマークまたは前の3人でボランチへのコースを遮断

③ウイングバックへパスが入ったら米本、シミッチ、和泉がボールサイドへスライド

④ボールサイドのシャビエル、前田は必ず第二列の手前まで引く

⑤サイドにそのまま閉じ込めて極力サイドチェンジをさせない

4-3-2-1は「クリスマス・ツリー」と呼ばれるシステムで、1998年W杯で優勝したフランス代表やカルロ・アンチェロッティ監督下のACミランが有名ですが、あんまり普及していません。

(残り 1507文字/全文: 2078文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ